【物理が苦手な高校生へ】物理が苦手・できない人の特徴|難しい単元の乗り越え方

こんにちは、理系のための大学受験塾SoRaの百瀬です。今回は、高校生の悩みの種の1つである「物理が苦手・どうしてもできない」という悩みについて、理系専門塾の塾長が徹底的に分析し、解説していきます。
「公式は覚えたのに、問題になると手が止まる」
「解説を読めば分かるのに、次の日には解けない」
「数学はできるのに、物理だけ点数が取れない」
高校物理を指導していると、このような悩みを抱える生徒をよく見ます。
数学は得意なのに物理だけ苦手という人は少なくありません。しかし、そのような生徒の多くは才能が不足しているわけではなく、物理の勉強法や考え方のどこかでつまずいているだけです。
この記事では、物理が苦手な人に共通する3つの特徴、物理が得意な人が意識していること、理系なのに物理ができない場合に科目を変えるべきか、そして最初の2週間で何をすればいいかまでを順に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
【この記事を読むべき人】
- 物理がどうしてもできない人
- 公式は覚えたのに、問題が解けない人
- 物理が苦手なまま高3になってしまった人
- 理系なのに物理だけ点数が伸びない人
- 理系なのに物理ができず、科目選択を変えるか迷っている人
【自己紹介】
百瀬 浩市
「理系のための大学受験塾SoRa」の代表。2026年までに多数の合格者を輩出。生徒の多くが物理が苦手として入塾するが、得意科目へと変えている。
物理ができない人に共通する3つの特徴|
自分がどれに当てはまるか確認しよう
当塾の生徒でも、物理を苦手で入塾する生徒は、やはり「公式が覚えられない/覚えたのに解けない」といった悩みを抱えています。
高校生の物理の勉強には、どうしても「公式」を起点に躓き、その後応用ができないといったような悩みに陥ってしまいます。これまでの経験上、躓き方は大きく3つに分かれます。まずは下の表で、自分がどのタイプかを確認してみてください。
| 特徴 | 原因 | 最初にやること |
|---|---|---|
| 公式は覚えたのに解けない | 公式を暗記科目として学習している | 条件から使う公式を判断する |
| 解説は分かるが自力で解けない | 演習方法に問題がある | 解説を閉じて白紙から再現する |
| 問題文が読めない | 状況整理ができていない | 図を書く習慣をつける |
それぞれの特徴、悩みに応じて、対応策は大きく異なります。まずは自身の物理の学習がどこに詰まっているのかを確認し、最適な勉強法を選択しましょう。
ここからはそれぞれの特徴について、解説していきますので参考にしてみてください。
特徴1:公式は覚えたのに問題が解けない
先ほどもお話しした通り、高校生の物理の勉強において、「公式」という存在は大きいです。そして「物理の公式」を起点に悩みが発展してくるケースが多発しているように見えます。
多くの生徒は、運動方程式「F=ma」 や 位置エネルギー「mgh」 などの公式を一生懸命覚えます。しかし入試問題で問われてるのは、公式そのものではなく「問題文で与えられた状況でどの公式を使うのか」です。
例えば問題文に「床は粗い面である」と書かれていたら、摩擦力を考えなければなりません。逆に「床はなめらかである」と書かれていたら、摩擦力を考えてはいけません。公式を知っていても、この条件を見落とせば正解にはたどり着けないのです。
つまり物理は
と言えます。
条件から公式を選ぶためには、白紙の上に公式の導出や問題ごとの解法を再現できる状態にするのが重要です。いきなり問題集に入るのではなく、現象を理解し数式でどのように記述するのかを知ることが重要です。
よくあるケースとして、学校の問題集や市販の問題集をいきなり手を付け、解説を覚えるという勉強法が散見されます。こうした勉強法も同様に、現象と数式が対応しにくく、どうしても応用時に大きな壁にぶつかってしまいます。そのため、まずは「宇宙一わかりやすい高校物理」や「漆原晃の物理が面白いほどわかるシリーズ」を使用して、公式の成り立ちを追っていきましょう。
参考書や問題集の使い方については、下記のブログを参考にしてみてください。

特徴2:解説を読めば分かるが、自力では手が動かない
こうした状況の高校生も非常に多いかと思います。実は最も危険な状況で、受験までの時間を逆算して勉強を進めていかなくてはいけません。
これは理解不足というより、アウトプット不足です。
物理には、分かった → 解ける → 再現できるという3段階があります。
多くの生徒は「分かった」で止まっています。もしくは、「分かった」つもりでも、本当は理解が浅いという可能性があります。
これらを明らかにするために、下記のステップで学習を進めていきましょう。
- 問題を解く
- 解説を読む
- 解説を閉じる
- 白紙から再現する
「白紙の上から解答を再現する」というのは、思った以上に難しいトレーニングになります。これを繰り返すと、公式と計算の段階で意識が変わるはずです。
すなわち、「問題文の状況や図から、公式等を用い立式する過程」と「式を処理する過程」を明確に分け、再現できるようにするために注力する部分に集中することができるようになります。
少しでも曖昧な箇所がある問題は、上記のステップで復習し、必ず「再現できる」という状態を目指しましょう。
特徴3:そもそも何を問われているか読めない
物理の学習を始めたての高校1年生や2年生に多くみられます。また公式の暗記に頼った学習をしてきた生徒もこうした状況に陥りがちです。
こうした生徒の共通点としては、「問題文に描かれてる図をノートに書き写す」ということをサボりがちです。
高校物理において最も重要なのは
です。例えば衝突問題なら、衝突前と衝突後で物体の状態が変化します。その変化を図で整理しなければ、立式は難しくなります。
実際、物理に十数年触れている私も、問題を解く際には必ず図を描いています。問題の状況を把握したり、ざっと問題を読んだだけでは理解しきれない部分を明確にしたりする目的で有効と感じています。
物理が苦手なら、まず図を描く習慣をつけることから始めましょう。
具体的な図の描き方については、こちらの記事で紹介しています。ぜひ参考にして、今日からの学習に活かしてみてくださいね!

物理が得意な人が意識している3つのこと|
公式の「使い方」が分かるようになる

ここまで紹介してきた3つの特徴のどれに当てはまっても、根っこにあるのは「公式をどう扱っているか」という部分です。公式を単に数式として暗記しているだけでは、紹介したようなツボにハマってしまいます。
ここからは、こうした状況を抜け出すため、物理が得意な人が自然とやっている3つのことを紹介します。
意識1:公式の文字の意味と、公式ができた流れを押さえる
公式を覚える前に、公式に出てくる文字が何を表しているのかを正確に理解することが出発点です。例えば、高校物理に最初に登場する等加速度運動の公式を見てみましょう。
この公式に登場する x は「距離」ではなく「位置」、v は「速さ」ではなく「速度」です。公式を現象と結びつけるためには、このような「距離と位置(変位)」「速さと速度」といった言葉の意味の違いに忠実になる必要があります。
さらに、その公式がどのような流れで導かれたのかを知っていると、公式を忘れにくくなり、見たことのない問題でも使い方が分かるようになります。
文字の定義や公式の導出については、それぞれこちらの記事で具体例と図を使って詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
- 文字の定義について

- 公式の導出(浮力の例)について

意識2:物理は国語と同じ!|問題文の一言に注目する
先ほどの意識1でも、言葉や文字の意味が重要だと伝えてきました。実際「物理は国語みたいな科目だ」と言われることがあります。これは決して大袈裟な話ではなく、物理の苦手を克服する上で非常に重要な考え方になります。
実際私も、物理の学習に力を入れてから、国語の点数が大幅に上がった記憶があります(笑)。
物理の問題文にはヒントがたくさん隠されています。例えば、
- 粗い面
- なめらかな面
- 軽い糸
- 質量を無視できる
といった表現には、すべて意味があります。これらを正しく読み取れなければ、式を立てる段階で間違えてしまいます。
数学のように問題文の数字だけを見るのではなく、文章から条件を抜き出し計算に落とし込む力が求められるのです。
意識3:公式が使える条件を整理する
これらの意識をしっかりと行えるようになった上で、公式が使える条件を理解することが重要です。
例えば力学的エネルギー保存則を例では、多くの生徒は公式だけを覚えていますが、本当に重要なのは、
- 摩擦がない
- 空気抵抗がない
- エネルギー損失がない
といった条件です。
条件を満たしているから使える/条件を満たしていないから使えないといった感覚が身につくと、問題文から自然に立式できるようになります。
意識1〜意識3を漏れなくできるようになれば、物理の苦手はほとんど克服できているはずです。そして、正しい土台の上に問題演習を繰り返すことで得意科目とし、受験でも得点源にできるようになるわけです。
理系なのに物理ができない場合、化学・生物に変えるべきか
勉強を続けていると、「理系なのに物理ができない。自分は物理に向いていないのでは」と悩む人も増えてきます。
結論から言えば、場合によります。
以下のような場合は、科目の変更を検討しても良いでしょう。
- 志望校で物理が必須ではない
- 高3後半でも基礎が定着していない
- 化学や生物の方が大幅に得点できる
反対に、次のような場合は、物理を続けることをおすすめします。
- 数学が得意
- 力学は理解できている
- 演習不足が原因
こうした状況で実際に、科目を変更した後に合格を掴み取った生徒もいれば、科目を変更せずにコツコツと演習を積んで合格した生徒もいました。
実際に当塾の生徒でも、物理を粘り強く学習し本番では6割以上の点数を取得し合格した生徒もいましたし、どうしても物理の思考が合わずに化学のみの受験に絞り、志望校に合格した生徒もいます。
大切なのは、感情で判断しないことです。「物理が嫌だから」ではなく、志望校の受験科目・残りの期間・今の得点を並べてから決めましょう。また、上の「3つの特徴」に当てはまる場合は、科目を変えても同じところでつまずく可能性があります。まずは勉強法を見直してから判断しても遅くはありません。
理系の受験勉強をいつから・どう進めるかは、こちらの記事で解説しています。

物理の苦手を克服する手順|
最初の2週間でやること

では、具体的に何から始めればよいのでしょうか。物理の苦手を抜け出すには、次の4つの手順で進めます。
手順1:基礎問題だけに集中する
苦手な人ほど、難問集に手を出しがちです。しかし、最初にやるべきなのは教科書の例題レベルです。まずは基礎問題を確実に解けるようにしましょう。
学校で配られるセミナー物理やリードα物理を使う場合は、こちらの記事も参考にしてください。

手順2:頻出パターンを身につける
物理には典型問題があります。
- 等加速度運動
- 運動方程式
- エネルギー保存
- 波の干渉
などです。まずは頻出パターンを何度も解き、「この問題ならこの考え方」を身につけましょう。
手順3:解き直しを徹底する
解きっぱなしは意味がありません。大切なのは、なぜ間違えたのかを分析することです。
- 計算ミス
- 条件の見落とし
- 公式選択ミス
のどれが原因なのかを分類すると、成長速度が大きく変わります。条件の見落としや公式選択ミスが多い人は、上の「物理が得意な人が意識している3つのこと」に戻ってください。計算ミスが多い人は、計算力そのものを鍛える必要があります。

解き直しでは、解説を読んで終わりにせず、解説を閉じてもう一度自力で解いてください。 本当に重要なのは、解法を再現できる状態になることです。
手順4:最初の2週間は復習を優先する
おすすめのスケジュールは以下の通りです。
| 期間 | やること |
|---|---|
| 1〜3日目 | 苦手単元を特定する |
| 4〜7日目 | 例題を繰り返す |
| 8〜10日目 | 間違えた問題の解き直し |
| 11〜14日目 | 時間を測って基礎問題を解く |
1日60分程度でも十分です。重要なのは、勉強時間ではなく継続です。
実際の指導でも、成績が伸びる生徒ほど参考書の冊数は多くありません。むしろ宇宙一シリーズ、物理のエッセンス、セミナー物理などを何度も反復し、解ける問題を確実に増やしています。大切なのは参考書を増やすことではなく、1冊を完璧にすることです。新しい教材を探す前に、まずは今使っている参考書や問題集を徹底的にやり込むことを意識してみてください。
化学にも苦手意識がある人は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。

まとめ|
物理が苦手なら、まずつまずき方を見極めよう
今回は、物理がどうしてもできない人に共通する3つの特徴、物理が得意な人が意識している3つのこと、化学・生物に変えるべきかの判断、最初の2週間でやることまで解説してきました。
物理の苦手を抜け出すうえで大切なのは、物理を「公式を覚える科目」ではなく「条件から使う公式を判断する科目」と捉え直すことです。
物理の勉強で大切なこと
「公式を覚える」のではなく
「条件から公式を選ぶ」
まずは、次の順番で進めてみましょう。
つまずき方を見極める
公式は覚えたのに解けない、解説は分かるが自力で解けない、問題文が読めない。自分がどのタイプかを先に確認します。
暗記型 → 条件から判断
解説止まり → 白紙で再現
読めない → 図を書く
公式の使い方を押さえる
文字の意味と公式ができた流れ、問題文の一言、公式が使える条件。この3つを意識すると、問題文から立式できるようになります。
基礎と典型問題を固める
難問集ではなく教科書の例題レベルから始め、頻出パターンを繰り返します。間違えた問題は原因を分類し、解説を閉じて解き直します。
例題 → 典型問題 → 解き直し
最初の2週間の進め方
1日60分程度でも十分です。大切なのは、勉強時間ではなく継続です。
1〜3日目 苦手単元を特定
4〜7日目 例題を繰り返す
8〜10日目 解き直し
11〜14日目 時間を測る
化学・生物に変えるか迷ったら
✓ 志望校で物理が必須かどうか
✓ 化学や生物の方が大幅に得点できるか
✓ 3つの特徴に当てはまっていないか
「物理が嫌だから」で決めず、志望校の受験科目・残りの期間・今の得点を並べてから判断しましょう。
物理に向いていないと思う人へ
物理ができない原因は、才能ではありません。正しい方法で続ければ、多くの生徒は確実に点数を伸ばせます。
新しい参考書を探す前に、今使っている1冊を完璧にすることから始めてください。
まずは今日、最近間違えた物理の問題を1問選び、解説を閉じて白紙から解き直してみてください。
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