【化学が苦手な高校生へ】化学が苦手・できない人の特徴|難しい単元の乗り越え方

こんにちは、理系のための大学受験塾SoRaの百瀬です。今回は、高校生の悩みの種の1つである「化学が苦手・できない」という悩みについて、理系専門塾の塾長が徹底的に分析し、解説していきます。

「化学は暗記科目だと聞いたのに点数が伸びない」
「有機化学は覚えられないし、理論化学は計算ができない」
「理系なのに化学だけ苦手で不安になる」

多くの高校生が一度は経験する悩みです。

化学は暗記科目だと思われがちですが、実際には理解と暗記のバランスが重要な科目です。やみくもに覚えるだけでは成績は伸びませんが、つまずいている原因を正しく把握できれば、苦手を克服することは十分可能です。

この記事では、高校化学が難しいと感じる3つの理由、化学ができない人に共通する特徴、つまずきやすい単元、そして最初の2週間で何をすればいいかまでを順に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

【この記事を読むべき人】

  • 定期テストで化学の点数が取れない人
  • 「化学は暗記科目」と聞いて覚えたのに、成績が伸びない人
  • 理論化学の計算問題で毎回手が止まってしまう人
  • 化学が苦手で何から勉強すればいいかわからない人
  • 理系なのに化学ができず、科目選択を変えるか迷っている人
  • 化学を得点源にしたい理系志望の高校生/受験生

【自己紹介】
百瀬 浩市
理系のための大学受験塾SoRa/個別進学塾TaNeの代表。
自らも生徒指導にあたり数学・物理・化学・英語と幅広い科目を指導。理系の道に進みたいけど、数学が苦手な子の助けになれるよう日々邁進中。高校のときの有機化学の面白さに惹かれて、東京農工大学 工学部 有機材料化学科に入学。

目次

高校化学が難しい理由|多くの生徒がつまずく3つの原因

高校化学は、多くの高校生にとって最も難しい科目の1つです。実際当塾でも化学に苦手意識をもつ生徒は非常に多く、定期テストや模試で点数が安定しないという相談を数多く受けます。

しかし化学は、正しい勉強法と順序を踏めば着実に習得できる科目です。まずは化学という科目の特性を理解し、どのように学習を進めていけばよいのかを知ることが、克服への第一歩となります。

化学が他の教科と比べて難しく感じられるのは、1つの科目の中で求められる力が大きく異なるからです。

化学では、計算力・暗記力・理解力・推論力のすべてが必要になります。

理論化学では計算問題を解く力が、無機化学では大量の知識を整理して覚える力が、有機化学では構造式や反応の流れを理解しながら考える力が求められます。

自分がどの力でつまずいているのかが分からないまま勉強してしまうことが、化学を難しくしている大きな原因なのです。

ここからは、こうした背景を踏まえながら、多くの生徒が化学でつまずく3つの原因を具体的に解説していきます。
ぜひ自分がどの段階で行き詰まっているのかを確認しながら、今後の学習改善のヒントにしてみてください。

原因1:暗記と演習のバランスが複雑

高校化学で多くの生徒が最初に戸惑うのが、「演習すべき内容と暗記すべき内容のバランス」です。

最初は、原子の構成や化学結合、実験器具の名称などを中心に、暗記項目が多く登場します。ところが、学習が進むにつれて急にモル計算や反応量の計算といった計算問題が増え、暗記中心から計算中心へと一気にシフトします。

さらにその後は、「酸化還元反応」「中和反応」「化学平衡」「有機化学」など、暗記と計算が複雑に入り混じる単元が続くため、どのように勉強すればよいのか分からなくなってしまうわけです。

「これは覚えるべきなのか」「なぜこの式を使うのか」と迷っているうちに、理解が追いつかなくなってしまう。これが、化学を難しいと感じる最初の大きな壁です。

原因2:「化学基礎」と「化学」が分断されている|全体像が掴みにくい

学校教育のカリキュラム上、「化学基礎」と「化学」は別教科として扱われています。
これは、学習内容を段階的に整理するという点では合理的ですが、かえって化学の全体像が見えにくくなるという大きな問題を抱えています。

本来、化学は

「物質の性質や変化を、原子・分子のレベルで理解する学問」

です。しかし、授業では「化学基礎」で原子や結合などの基本概念を暗記し、次の「化学」では突然、反応式や平衡・電池といった高度な内容に入るため、「何のために学ぶのか」という目的が置き去りになってしまうわけです。

知識のつながりが見えにくくなると、化学を「単なる暗記科目」として認識するようになってしまいます。これこそが、科学に対する苦手意識を増幅する最大の原因といえます。

原因3:高校化学の問題を解く上で最も重要なことを誤解している

定期テストであれ受験であれ、高校化学の問題を解く上で本当に重要なのは、

問題文で書かれている内容を正しく整理し、比例関係を用いて立式する

です。しかし多くの生徒はこの核心を見落とし、「知識を覚えていない」「立式の仕方がわからない」「どの公式を使えばいいのか思い出せない」と悩み問題集の解答を覚える学習に陥ってしまいます。

こうした勉強法では、「なぜその式を使うのか」という根本的な理解が得られないため、少し条件が変わっただけで手が止まり、どんどん苦手意識が強くなります。

最初に述べた「暗記と演習のバランスが崩れる」という原因①と結びつき、結果として化学そのものが「嫌いな科目」になってしまうわけです。

化学ができない人の3つの特徴|まずは自分がどれに当てはまるか確認しよう

ここまでは化学という科目そのものの難しさをお話ししてきました。ここからは視点を変えて、化学ができない生徒に共通する特徴を見ていきます。

当塾で化学が苦手な生徒を見ていると、つまずき方にはいくつかの型があります。まずは下の表で、自分がどれに当てはまるかを確認してみてください。

特徴原因最初にやること
暗記だけで解決しようとする理解が不足している原理や理由を確認する
計算問題で止まるmolや比の理解不足理論化学を復習する
授業についていけない分量が多すぎる学習の遅れを取り戻す
単元ごとの違いを理解していない勉強法が合っていない分野別に対策する

4つ目の「単元ごとの違い」は、次の章「化学で難しい単元はどこ?」で詳しく扱います。ここでは残りの3つを順に解説します。

特徴1:暗記科目だと思って始めている

このパターンが最も多いタイプです。実際私自身もこのパターンに陥ったことがあります(笑)。

化学は確かに暗記が必要な科目です。しかし、暗記だけで乗り切れるわけではありません。例えば「なぜその反応が起こるのか」「なぜその式になるのか」を理解していなければ、応用問題には対応できません。

特に理論化学では、覚える → 使う → 説明できるの段階まで到達する必要があります。「とりあえず丸暗記する」という勉強法だけでは、どこかで限界が来るのです。

学校で配られるセミナー化学を、答えを覚える教材にしてしまっている人は、使い方から見直してみてください。

特徴2:計算問題で止まっている

化学が苦手な生徒の多くは、理論化学の計算で躓くことが多いはずです。特に多い悩みの種は、やはりmol計算かと思います。

  • モルの概念
  • モル濃度
  • 気体の体積
  • 中和計算

このあたりでつまずく生徒は非常に多くいます。

ここで重要なのは、

「計算そのものが苦手なのか」それとも「化学の概念が理解できていないのか」を区別すること

です。実際には、数学の計算力よりも「この問題で何を求めているのか」を理解できていないケースの方が多くあります。

解説を読めば式の意味は分かるのに、計算の途中でミスが出て点にならない場合は、計算力そのものを鍛える必要があります。その場合はこちらの記事を参考にしてください。

特徴3:そもそも授業の進度に追いついていない

高校化学は、とにかく範囲が広い科目です。一度遅れてしまうと、

理論化学が分からない → 無機化学も分からない → 有機化学も分からない

という負の連鎖が起こります。

この場合、焦って新しい参考書を買っても解決しません。 必要なのは「今どこまで理解できているか」を確認し、抜けている部分を埋めることです。

遅れを定期テストで取り戻す考え方は、教科が違っても共通しています。こちらの数学の定期テスト対策記事も併せて参考にしてみてください。

化学で難しい単元はどこ?分野別の難易度とつまずきポイント

当塾で授業をしていても、「化学で一番難しい単元はどこですか?」という質問はよく受けます。
私自身も高校生の時には、どうにか難しい分野を理解しようとし、その度に考え悩んだ記憶があります。

この問いの難しい点は、答えが人によって違うということです。というのも、ここまで説明してきた通り、高校化学では暗記と演習のバランスが非常に重要です。もちろん暗記するのが得意な人からしたら簡単と思う暗記分野でも、計算が得意な人からしたら難しいと感じるでしょう。

重要なのは、それぞれの単元が何を学習する分野でどのポイントを押さえたら理解したと言えるかを見抜く力になってきます。

単元難易度つまずきやすいポイント
mol計算★★★★☆数量関係の理解
化学平衡★★★★★状況整理
酸塩基★★★★☆計算と概念の両立
無機化学★★★☆☆暗記量
有機化学★★★★★構造理解
高分子★★★☆☆知識整理

表の単元は、大きく理論化学・無機化学・有機化学の3分野に分かれます。分野ごとに求められる力がまったく違うので、つまずき方も違います。

理論化学|最も脱落者が多いのはmol計算

理論化学は、最も脱落者が多い分野です。中学の理科から、一気に概念的な話になる上、無数のパターンの計算問題が出てくるからです。

特にmol計算は、その後の酸塩基・酸化還元・化学平衡など多くの単元の土台になっています。ここでつまずくと、その後の単元にも次々と影響します。 理論化学で詰まっている人は、先の単元に進む前にmol計算まで戻ることをおすすめします。

無機化学|覚える量より「整理の仕方」

無機化学は暗記量が非常に多い分野です。

ただし、ここで必要なのは理解よりも整理です。物質ごとにバラバラに覚えるのではなく、表にまとめたり、性質の似たもの同士を関連付けたりすることで、効率よく覚えられます。

有機化学|反応の丸暗記より「構造の変化」

有機化学は覚える内容も多いですが、それ以上に構造の理解が必要な分野です。

反応を丸暗記するだけでは、見たことのない構造決定の問題に対応できません。どの部分がどう変化したのかという構造変化の流れを理解することが重要です。反応の流れや構造変化の仕組みが分かると、有機化学は一気に解きやすくなります。

有機化学の具体的な勉強の進め方は、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

化学基礎が難しい場合|まずは言葉の意味を理解することから

私自身、高校生の時には「化学」ではなく「化学基礎」にハードルを感じていた記憶があります。どうしても中学校までの理科とは異なり、化学基礎は

  • 原子
  • 分子
  • 化学結合
  • 酸と塩基

といった基本概念の理解が中心の科目となってきます。その中でも、mol計算や酸塩基、酸化還元は多くの生徒がつまずく単元です。

化学基礎が難しいと感じる場合は、まず教科書レベルの例題を使って、用語の意味を理解することを優先しましょう。応用問題は後回しで構いません。

文系の人や、共通テストで化学基礎だけを使う人は、「化学」の範囲まで手を広げる必要はありません。化学基礎の教科書と、その範囲の問題集を1冊繰り返せば十分です。

理系なのに化学ができない場合、物理・生物に変えるべきか

「理系に進んだけれど、化学が全然できない……」

このような場合、「物理や生物に変更したほうがいいのでは?」と考える人もいるでしょう。

結論から言うと、

化学が苦手だからといって、すぐに科目を変更する必要はありません。

まずは、「なぜ化学ができないのか」を考えることが大切です。

例えば、理論化学の計算問題だけが苦手なのか、無機・有機の暗記が苦手なのか、それとも化学の勉強そのものがうまく進められていないのかによって、取るべき対策は変わります。

物理・生物に変えてもよいケース

一方で、次のような場合には、物理や生物への変更を検討してもよいでしょう。

  • 原因を分析して勉強方法を見直しても、改善が見られない
  • 原因を分析した結果、変更先の科目のほうが、自分にとって取り組みやすい
  • 志望大学・学部で、変更後の科目を受験に利用できる
  • 変更しても、受験までに十分な勉強時間を確保できる

決して、「化学が苦手だから物理にする」という理由だけで変更するのはおすすめできません。

物理には物理の難しさがあり、生物も単純に暗記だけで点数が取れる科目ではありません。実際に私の周りにも、こうして科目変更をした友人もいましたが、やはり「なぜできないのか」を分析している人とそうでない人では、その後の学習の加速度が異なる印象でした。

科目を変更するのであれば、「化学が苦手」ということだけではなく、変更後の科目を受験までに仕上げられるかまで考える必要があります。

逆に、科目を変えないほうがよいケース

例えば、まだ化学を十分に勉強していない段階で「化学が苦手」と判断している場合は、すぐに変更する必要はありません。

特に、

  • 授業で習ったばかりで、まだ問題演習が足りない
  • 化学の一部の分野だけが苦手
  • 基礎事項が十分に身についていない
  • そもそも化学の勉強方法が確立していない

という場合は、まず化学の勉強方法を見直してみましょう。

「化学ができない」のではなく、「まだ化学ができるところまで勉強できていない」だけかもしれません。

また、志望大学によっては、受験できる理科の科目が限られている場合もあります。

そのため、科目変更を考えるときは、必ず志望大学・学部の入試科目を確認しておきましょう。

科目変更は「苦手だから」ではなく「受験全体」で判断する

化学が苦手になったときに大切なのは、目の前の点数だけを見て判断しないことです。

「化学をこのまま続けた場合」と「物理・生物に変更した場合」で、受験までにどれくらい勉強時間が必要なのか、志望校をどれくらい受験できるのか、自分に合っているのはどちらなのかを考えてみましょう。

決して、化学が苦手=科目変更と判断しないこと。

まずは苦手の原因を明らかにし、それでも改善が難しい場合に、科目変更を選択肢の一つとして考えるようにしましょう。

理系の受験では、科目そのものだけでなく、いつから、どの科目を、どのように勉強するかも重要になります。

理系の受験勉強をいつから始め、どのように進めていけばよいのかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

化学の苦手を克服する手順|最初の2週間でやること

では、実際に化学を効率よく学習するためには、何をどのように始めればよいのでしょうか。化学の苦手を抜け出すには、次の4つの手順で進めます。

手順1:苦手分野を特定する

まず、理論・無機・有機のどこが弱いのかを確認します。前の章の「化学ができない人の特徴」の表を使うと、自分がどのタイプかも同時に確認できます。

手順2:基礎問題だけに集中する

最も重要な部分です。いきなり難問に挑戦せずに、まずは教科書の例題や、定期テストレベルの問題を完璧にしましょう。

手順3:間違いの原因を分類する

間違えた問題は、

  • 計算ミス
  • 暗記不足
  • 理解不足

のどれが原因なのかを区別することが重要です。原因によって、やり直す場所が変わるからです。

例題や基本問題は、解説を読んだ後にもう一度自力で解き直してください。この「解き直し」が科学を得意にする鍵になります。

手順4:最初の2週間は復習を優先する

おすすめのスケジュールは以下の通りです。

期間やること
1〜3日目苦手分野を特定
4〜7日目教科書例題を復習
8〜10日目間違えた問題だけ解き直し
11〜14日目基礎問題演習

大切なのは参考書の冊数を増やすことではなく、今持っている教材を繰り返すことです。1冊を完璧にすることが、化学の苦手克服への近道です。

物理にも苦手意識がある人は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。

化学の成績を爆伸びさせる勉強方法|失敗しない勉強の順序

2週間で基礎の遅れを取り戻したら、ここからは化学の失敗しやすいポイントを克服し、確実に成績を向上させるための勉強法について解説していきます。

その前に一つ皆さんに質問です。

「よし、次のテストは化学で点数を稼ぐぞ」「化学の受験勉強を本腰入れて頑張ろう」と決意した時に、皆さんは何から始めるでしょうか。

学校で配布された「セミナー化学」や「リードα」を手に取り、要点を見て問題に着手し始めるパターンが多いように見受けられます。

この順序こそ「化学を好きになるか嫌いになるか」の分かれ道です。以下に示す勉強法を参考にして、皆さん自身の学習順序を照らし合わせてみてください。

ステップ1:何を学ぶのか明確にせよ!参考書で全体像を把握する

化学の成績を確実に向上させたいなら、まず参考書で全体像を理解してください。セミナーやリードαのような学校で配布された演習用の問題集から始めるのは危険です。

これらの問題集は、もちろん高校1,2年生の定期テスト対策から受験対策まで、一貫して活用できる優れた問題集です。しかし、これらの参考書は、最初のステップとして最適ではありません。

どうしても問題数が多く、「スラスラ解けない」「できるようになる感覚がしない」という悪循環に陥ってしまいます。

そうならないために、まずは「宇宙一わかりやすいシリーズ」や「Doシリーズ」などの説明系参考書で単元の特徴を掴む必要があります。この際重要なのは、

各単元の序盤に書かれている内容を掴む

ということです。「内容を理解せよ」と言われても、どうしても私たちは数式で解けるか解けないかを判断してしまいます。

まずは意識的に「この単元でやっていることは何か」を明確にしましょう。

こうすることで、先述の原因①「暗記と演習のバランス」を保ち、原因②「全体像が掴みにくい」を解決していくことができます。

1日の化学の勉強を始める前に、必ず序盤に書かれている内容を読み、目的意識をしっかりと持つことが重要です。

ステップ2:知識に優先順位をつけろ!

ステップ1では、化学を習得する際には「『何を学習する範囲なのか』という目的意識をしっかりと持ち、全体像を把握することが重要」と紹介してきました。

これを意識するだけでも、化学を嫌いになる可能性は大きく低くなると思います。しかし実際に成績を伸ばすためには、全体像だけでは不十分です。

次に重要になることは、「いかに知識を整理するか」です。知識を整理する際に最も重要なことは

知識に優先順位をつけること

です。化学が苦手な高校生ほどやりがちなのが、全部覚えなきゃ….という完璧主義的な勉強 です。
「これから化学の勉強を頑張るぞ!」と気合を入れれば入れるほど、このようなNG勉強パターンに陥ってしまいます。

各単元の参考書に書いてあること全てを暗記しようとすると、結局「何を学習する範囲なのか」見失ってしまい、太字で強調された用語や公式だけを覚える学習になってしまうわけです。

したがって単元を学習する時には、書いてある情報を以下の3つに分類することが重要です。

STEP
「直感的に理解できる当たり前のこと」を確認する

新しい単元を学習するとはいえ、全部がまったく新しい情報というわけではないはずです。
まず自分が知っている内容や、別に言われなくてもわかると判断できるものを探し出します。

それらの言葉の定義に、自分の解釈と齟齬がないかをサラッと確認しましょう。

これらの土台は、知らなかった知識やその分野の「本質」を理解する際に、皆さんの記憶を支える軸となります。

STEP
「この分野で欠かせない単元の本質」を理解する

次のステップで重要なのは、「この分野でいちばん大事な考え方は何か?」を1つに絞って言語化することです。
たとえば酸と塩基なら「H⁺とOH⁻のやりとり」、酸化還元なら「電子の授受」というように、その単元を一言で言い表す軸を作るイメージです。

その際に、公式や細かい定義をいきなり覚えるのではなく、「なぜその公式が必要なのか」「何を説明したくてその概念が生まれたのか」というストーリーに注目することがコツです。

本質となる一文が頭の中にあるだけで、新しく出てくる細かい知識が全てその周りに整理され、暗記に頼らなくても理解しやすくなります。

STEP
「本質から派生した細かい知識」は徐々に覚えていこう

本質がつかめたら、そこから枝分かれしている細かい知識を少しずつ足していきます。
たとえば、酸と塩基であれば、物質がどのくらいH⁺とOH⁻を出すかという「価数」の概念や、どのくらい電離するかという「電離度」を付け足していきます。また酸化還元では、多くの高校生がつまずく半反応式もこの枝分かれした細かい知識に分類されます。

この段階で意識すべきは、「最初から全部を完璧に覚えようとしないこと」です。
「この知識は、さっき考えた本質とどうつながっているのか?」という関係性を押さえ、細かい数字や名称は問題演習の中で何度も出会いながら少しずつ定着させていけば十分です。

この3つのステップを意識して知識を整理していくだけでも、化学に対する負担感は大きく減ります。むしろ、「思っていたほど覚えることは多くない」と感じ始めるはずです。

ぜひ、点だった知識を線で繋ぎながら、自分の中に「化学の攻略法」を構築していってください。このやり方が身につけば、どんな単元でも迷わずに進めるようになり、化学が確実に得意科目へと変わっていきます。

ステップ3:問題集と参考書を往復せよ!

ステップ1〜2で得た知識を実際に活用し問題を解けるようにしていくステップになります。このステップで大切なことは

「問題演習しながら都度参考書に戻り、抜けていた知識を習得し直す」

ことです。すなわち、

  • 問題の中で、何がわかっていて、何がわからなかったのか?
  • わからなかったことは細かい知識か?本質か?
  • 参考書のどの部分を読み返し、どのように紐付けすれば覚えられるか?

というように進めていくことが重要です。1問の問題からできる限り多くの知識を整理して、習得することを心がけましょう。

また問題集を解く際には、抜けている知識があることを前提に進めていくこと重要です。問題を解いて初めて、自分が理解していなかった部分や覚えきれていない知識が明らかになります。

この弱点を1つずつ拾い上げ、参考書で確認し、再び問題に戻って確かめる。この往復が高校化学を攻略するための学習法になります。

まとめ|化学が苦手なら、まず「できない原因」を見つけよう

今回は、化学が難しく感じる原因から、化学ができない人に共通する特徴、単元ごとのつまずきやすいポイント、そして化学の成績を伸ばすための勉強法まで解説してきました。

化学の成績を伸ばすうえで大切なのは、最初からすべてを完璧に覚えようとしないことです。

化学の勉強で大切なこと

「全部覚える」のではなく
「全体像を理解して、必要な知識をつなげる」

まずは、自分が化学のどこでつまずいているのかを確認してみましょう。

01

まずは苦手な分野を特定する

理論・無機・有機のどこでつまずいているのかを確認する。

02

基礎に戻って全体像をつかむ

参考書で「この単元では何を学ぶのか」を確認する。

03

問題集と参考書を往復する

間違えた問題を参考書で確認し、もう一度自力で解き直す。

化学は、暗記だけでも、問題演習だけでも成績を伸ばしにくい科目です。

「全体像をつかむ → 知識を整理する → 問題を解く → 参考書に戻る」という流れを繰り返しながら、少しずつ知識をつなげていきましょう。

「化学が苦手」なのではなく、
「化学の勉強の仕方が合っていない」だけかもしれません。

まずは今日、自分がどこでつまずいているのかを確認するところから始めてみてください。

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この記事を書いた人

百瀬 浩市のアバター 百瀬 浩市 理系のための大学受験塾SoRa 代表/塾長

埼玉県立所沢高校を卒業。現役で東京農工大学工学部に入学。(その他、東京理科大学理学部、明治大学理工学部、芝浦工業大学工学部、東洋大学理工学部にも合格)
大学在学中に大手予備校にて指導経験を積む。大学卒業後、地元の個別指導塾にて教室長を務めたのち、理系のための大学受験塾SoRaを立ち上げて現在に至る。

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