共通テスト模試は何点取れていればいい?志望校レベル別の目安と判定の見方

受験に向けて、高3の秋に模試でどのくらい取れていればよいのかを志望校レベル別に解説し、高1・高2のうちから意識してほしいことについても紹介している記事です。

こんにちは、理系のための大学受験塾SoRaの百瀬です。

今回は、

「秋の模試で何点取れていればいいの?」
「この点数で志望校を目指し続けて大丈夫?」
「D判定やE判定だったけど、志望校を変えた方がいい?」

と不安になっている人に向けての記事です。

模試の結果が返ってくると、どうしても点数や判定が気になると思います。ただ、実際に生徒の模試を見るとき、私は判定をそれほど重視していません。それよりも、

  • 志望校の本番で必要な点数に対して、今どこまで来ているのか
  • すでに勉強した範囲で、きちんと点を取れているのか

を見ることの方が重要だと考えています。

この記事では、高3の秋に模試でどのくらい取れていればよいのかを、志望校レベル別に解説します。また、実際にSoRaで生徒の模試を見るときに確認しているポイントや、D判定だった生徒の例、高1・高2のうちから意識してほしいことについても紹介します。

【この記事を読むべき人】

  • 秋の模試で何点取れていればよいのか知りたい高3生
  • 模試の点数が志望校に対して足りているのか不安な人
  • D判定・E判定が出て、志望校を変えるべきか迷っている人
  • 高1・高2のうちから、模試の点数をどう見ればいいのか知りたい人
  • 子どもの模試結果をどう受け止めればいいのか悩んでいる保護者の方

【自己紹介】
百瀬 浩市
「理系のための大学受験塾SoRa」の代表。2026年までに多数の合格者を輩出。
単なる解法の伝達ではなく、「何ができれば合格点に届くのか」から逆算して、生徒一人ひとりに必要な勉強を明確化することを得意とする。

目次

結論|模試の基準は「志望校の本番目標」から逆算する

秋の模試で「何点取れていれば大丈夫」という、全員共通の数字はありません。志望校によって、本番で必要になる点数が違うからです。そのため、まず確認してほしいのは本番で何%必要なのかです。

そのうえで、現役生であれば、高3の9〜10月の段階では、

本番目標より10ポイント程度低くても、十分に間に合う

と私は考えています。たとえば、本番で80%を目標にするのであれば、秋の模試で70%前後を一つの目安にします。

現役生は秋以降もまだ伸びます。未習範囲が残っている生徒もいますし、数学IIIや理科が完成してくることで、ここから大きく点数が変わることも珍しくありません。一方、浪人生の場合は基本的にすでに一通りの範囲を学習しているため、同じ10ポイントの差でも少し重く考えます。

なお、全統・東進・駿台では受験者層や問題の難易度が異なるため、数字を完全に横並びにすることはできません。私自身は、模試ごとに細かく基準を変えるというより、河合模試の偏差値を一つの軸として見ることが多いです。一つの模試の結果だけを絶対視せず、普段の学習状況と合わせて判断するようにしてください。

高3|志望校レベル別の得点率目安

おおまかな目安を表にすると、次のようになります。

志望校帯本番で必要な得点率の目安9〜10月の模試での目安
医学部85〜90%75〜80%
旧帝大クラス80〜85%70〜75%
地方国公立65〜70%55〜60%
MARCH・理科大 共通テスト利用80%前後70%前後

もちろん、大学・学部や、共通テストと二次試験の配点によって必要な得点率は変わります。この表は「この点数なら合格できる」「この点数なら不合格になる」というものではありません。あくまで、本番目標から大きく離れていないかを見るための目安として使ってください。

医学部を狙うなら75〜80%前後を目安にする

医学部では、共通テストでかなり高い得点率が必要になる場合があります。本番で85〜90%程度を目標にするのであれば、高3秋では75〜80%程度を目安にします。

この時期の医学部志望の受験生は、得意科目をさらに伸ばすこと以上に、苦手科目を作らないことも重要になります。たとえば、

  • 数学の偏差値60
  • 理科の偏差値45

の場合であれば、数学を60から80に伸ばそうとするより、数学60を維持しながら、理科45を60〜65まで引き上げることを優先するべきです。 60を80にするより、45を65にする方が現実的なことが多いからです。

模試では総合点だけではなく、科目全体のバランスを意識して学習していきましょう。

旧帝大クラスなら70〜75%前後を目安にする

本番で80〜85%程度を目標にするのであれば、高3秋で70〜75%前後を目安にします。

ただし、旧帝大をはじめとする難関国公立では、二次試験の配点が大きい大学もあります。その場合、

共通テスト型模試の得点率だけでは、志望校との距離を正確に測ることはできません。

そのため、「共通テスト模試で70%だから厳しい」「80%だから安心」という見方ではなく、二次試験で使う科目がどこまで完成しているかも合わせて確認する必要があります。

地方国公立なら55〜60%前後を目安にする

本番で65〜70%程度を目標にする場合、高3秋では55〜60%前後を目安にします。

この層で大切なのは、

まだ勉強していない範囲なのか、それとも一度勉強したのに取れていないのか

を分けることです。まだ学習範囲そのものが終わっていないのであれば、まずは範囲を終わらせることを優先します。一方で、すでに勉強した単元の中で苦手な分野が明確なのであれば、その復習を並行して進めます。

単純に「次の模試では60%を取ろう」と点数だけを目標にするのではなく、その点数を失っている原因を一つずつ消していく、という考え方が重要です。

MARCH・理科大志望は受験方式によって見る数字が変わる

MARCHや東京理科大学を志望する場合は、共通テスト利用なのか一般選抜なのかによって、模試の見方も変わります。

共通テスト利用を考えていて、本番で80%程度が必要なのであれば、高3秋では70%前後を目安にします。一方、一般選抜が中心であれば、共通テスト模試の総合得点よりも、実際に入試で使う英語・数学・理科がどこまで仕上がっているかを見る方が重要です。

総合得点だけで判断しないようにしてください。

目安の点数を下回っていたら、まず何をする?

ここまでの数字を見て、「自分は全然足りていない」と思った人もいるかもしれません。しかし、点数が足りないからといって、いきなり問題演習の量を増やせばよいわけではありません。

私が生徒を見る場合、まず確認するのは学習範囲が終わっているかどうかです。まだ範囲が終わっていないのであれば、まずは終わらせます。そのうえで、すでに苦手だと分かっている分野があるなら、その復習を同時に進めてもらいます。つまり、

  • 未習範囲がある → まず範囲を終わらせる
  • 既習範囲に苦手分野がある → 並行して復習する

という形です。

模試で50%だったからといって、「とにかく60%に上げよう」ではありません。大切なのは、なぜ50%だったのかを考えることです。

点数を落とした原因を探すときの模試の復習の手順は、こちらにまとめています。

科目ごとの立て直し方は、こちらを参考にしてください。

数学

物理

化学

模試の「判定」はほとんど見ない|代わりに見る3つのこと

少し極端に聞こえるかもしれませんが、私は生徒の模試を見るとき、判定をそれほど見ていません。主に見るのは、科目別の得点率と、分野別の正答状況です。

①すでに勉強した範囲で点が取れているか

特に重要なのが、「すでに勉強した範囲で、ちゃんと点が取れているか」という点です。

SoRaでは、各単元を学習した後にテストを行い、合格したら次の単元へ進むという形で学習を進めています。そのため、「この単元は一度勉強して、テストにも合格しているのに、模試では取れていない」のであれば、そこは復習すべきサインです。逆に、まだ学校でも塾でも勉強していない範囲を落としているのであれば、その時点ではそこまで気にしません。

模試を見るときに、「正答率70%の問題だから絶対に取らなければいけない」と一律に考えるよりも、

自分がどこまで勉強を終えていて、その範囲を本番形式でも再現できたか

を見る方が重要だと考えています。

②科目ごとの得点率に差がないか

総合偏差値だけを見ると、次に何をすればいいのか分からないことがあります。たとえば同じ総合偏差値55でも、

  • 数学60・物理45・化学50

という生徒と、

  • 数学55・物理55・化学55

という生徒では、次にやるべきことは違います。前者なら、数学を維持しつつ理科を底上げした方が伸びやすい。後者なら、全科目を少しずつ引き上げる必要があります。

特に理系では、数学が得意でも理科の完成が遅れて総合点が伸びないケースがあります。模試が返ってきたら、まず科目別に分解して見てください。

③前回の模試から伸びているか

1回の模試だけで、「伸びている」「伸びていない」と判断する必要もありません。

実際、SoRaで教えた生徒の中に、高2秋の時点では偏差値48程度、得点率も48%ほどだった生徒がいました。その生徒は数学が苦手でしたが、高3の4月ごろから本格的に受験勉強を始め、数学を重点的に固めました。すると、高3秋には得点率が65%程度まで上がり、最終的には共通テストで70%ほど取れるようになりました。

高2の秋に50%を切っていたからといって、その点数がそのまま本番まで続くわけではありません。逆に、高1・高2で良い点数を取っていても、高3で学習が止まれば成績が落ちることもあります。

だからこそ、模試は一回の数字だけでなく、

数か月単位でどの方向に動いているのか

を見ることが重要です。

D判定・E判定なら志望校を変えるべき?

模試でD判定やE判定が出ると、「志望校を下げた方がいいのでは?」と思う人もいるでしょう。しかし、私は

判定だけを理由に志望校を変更する必要はない

と考えています。

実際、秋の河合模試でD判定だった生徒がいました。その生徒は志望校への思いが強く、「どうしてもここに行きたい」という意思を持っていました。そこで志望校は下げず、そのまま過去問演習を続けてもらいました。結果として、その生徒は第一志望に合格しています。

もちろん、D判定なら必ず逆転できるという意味ではありません。ただ、模試の判定はその時点での一つの指標です。志望校を変えるかどうかは、

  • 本人がどれくらいその大学に行きたいのか
  • どの科目が不足しているのか
  • 未習範囲がどれくらい残っているのか
  • 残り期間で改善可能なのか

まで見て判断すべきです。判定そのものを最終判断にする必要はありません。

高1・高2の方へ|今の模試が悪くても、それだけで心配する必要はない

ここからは高1・高2の人に向けてです。

高1・高2の保護者から、「模試の点数が悪かったのですが、大丈夫でしょうか」と相談されることがあります。そのとき、私は基本的に、今の模試の点数だけをそこまで気にする必要はないと伝えています。

実際、高2まで模試の成績が悪くても、高3で一気に伸びる生徒はいます。反対に、高1・高2で良い結果が出ていても、高3になって伸び悩む生徒もいます。模試の点数だけで、その後の合否まで決まるわけではありません。

むしろ高1・高2の段階で私が気になるのは、定期テストで習った範囲をきちんと取れているかです。学校で習って、一度勉強した内容が定期テストでも取れていないのであれば、基礎が定着していない可能性があります。

高1・高2では、「模試で偏差値がいくつだったか」以上に、目の前の単元を一つずつ理解できているかを大切にしてください。

1月の共通テスト同日模試で、高1・高2がどれくらい取れていればいいのかは、こちらの記事で解説しています。

理系は数学IIIと理科の開始が遅れると苦しくなりやすい

ただし、高1・高2だからといって何もしなくてよいわけではありません。実際に指導していて厳しくなりやすいと感じるのが、数学IIIや理科の開始が遅れているケースです。

理系は数学IA・IIBだけではなく数学IIIがあり、さらに物理・化学なども完成させなければなりません。これらを高3になってから一気に進めようとすると、数学IIIや理科の基礎が終わるころには、すでに過去問演習を始めなければならない時期になってしまいます。

すると、基礎を学ぶ時間と、入試問題を解く時間が重なります。これはかなり苦しい状態です。

高1・高2の方は、模試の点数自体を必要以上に気にする必要はありません。ただし、

  • 数学IA・IIBの基礎を固める
  • 学校で習った理科を放置しない
  • 数学IIIや理科をいつ始めるか考えておく

ことは、早い段階から意識しておいてください。

数学IIIと理科をいつから始めればいいのかは、こちらで詳しく書いています。

保護者の方へ|高1・高2の模試は点数だけで判断しないでください

高1・高2のお子さまの模試結果が悪いと、不安になる保護者の方もいると思います。

ただ、先ほど紹介したように、高2秋で偏差値48程度だった生徒でも、高3秋には得点率65%程度、本番では70%程度まで伸びた例があります。高1・高2の模試の点数だけで、「このままでは志望校に行けない」と判断する必要はありません。

逆に、今模試の結果が良いからといって、安心しすぎる必要もありません。高3になってから伸びる生徒もいれば、落ちていく生徒もいます。

保護者の方には、「何点だったの?」と点数だけを聞くよりも、「今回、勉強したところはちゃんと取れていた?」と聞いてみてほしいと思います。

模試は結果そのものより、これまで勉強してきたことが実際の問題でも使えるようになっているかを確認する材料として使う方が有効です。

まとめ|模試は判定より「次に埋める穴」を見つけよう

今回は、秋の模試で何点取れていればいいのかを志望校レベル別に整理し、私が判定の代わりに見ているポイント、D判定・E判定のときの考え方、高1・高2と保護者の方に向けた模試の見方を解説してきました。

模試を見るうえで大切なのは、点数や判定だけで一喜一憂しないことです。

模試の見方で大切なこと

「受かるか、落ちるか」ではなく
「何ができて、次に何を埋めるか」

模試が返ってきたら、次の順番で確認してみてください。

01

志望校の本番目標から逆算する

まず本番で何%必要かを確認します。現役生なら、高3秋は本番目標の10ポイント下程度が一つの目安です。

医学部 75〜80%
旧帝大 70〜75%
地方国公立 55〜60%

02

科目別・分野別に分解する

総合点や判定ではなく、科目ごとの得点率の差を見ます。得意科目を維持しながら、低い科目を引き上げることを優先します。

03

勉強した範囲で取れているか

一度勉強した単元を落としていたら、そこは復習のサインです。

未習が多い → 範囲を終わらせる
既習で落とした → 並行して復習

04

伸びを数か月単位で見る

1回の数字で判断しないでください。高2秋に得点率48%ほどだった生徒が、本番で70%ほど取れるようになった例もあります。

D判定・E判定で迷ったら、ここを見る

✓ 本人がどれくらいその大学に行きたいのか
✓ どの科目が不足しているのか
✓ 未習範囲がどれくらい残っているのか
✓ 残り期間で改善可能なのか

判定だけを理由に志望校を変える必要はありません。

高1・高2の人と、保護者の方へ

今の模試の点数だけで、その後の合否まで決まるわけではありません。
点数を聞くより、「今回、勉強したところはちゃんと取れていた?」と聞いてみてください。
理系は、数学IIIと理科をいつ始めるかを早めに考えておくことが大切です。

結果が返ってきたら、判定を見る前に「自分はどこまでできるようになっていて、次は何を埋めればいいのか」を考えてみてください。

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この記事を書いた人

百瀬 浩市のアバター 百瀬 浩市 理系のための大学受験塾SoRa 代表/塾長

埼玉県立所沢高校を卒業。現役で東京農工大学工学部に入学。(その他、東京理科大学理学部、明治大学理工学部、芝浦工業大学工学部、東洋大学理工学部にも合格)
大学在学中に大手予備校にて指導経験を積む。大学卒業後、地元の個別指導塾にて教室長を務めたのち、理系のための大学受験塾SoRaを立ち上げて現在に至る。

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