北海道大学の理系学部を目指す人がよくやる参考書として青チャートが挙げられます。しかし、青チャートをやったは良いものの、「次に何をしたら良いですか?」という質問を多く受けます。
実際、青チャートの次のステップとして、
「いきなり過去問に入ってしまっていいのだろうか?」
「何か他の参考書をやった方が良いのかな?」
と考えている人は多いと思います。
そこで今回は、近年の北大の理系数学の難易度も踏まえつつ、青チャートを一通りやった後に北大理系数学の対策として実際に何をやるべきかについて解説していきます。
近年の北大理系数学の難易度は?
まず、具体的にやるべきことを挙げていく前に、近年の北大理系数学の問題の難易度を見ていきましょう。北大の理系数学は、ここ直近2年間(2022、2023年)はそれ以前と比べて難化傾向にあります。
2021年以前は、青チャートをやっていれば十分に解けるような問題が数多く出題されており、十分に太刀打ちできるような問題が出題されていました。
しかし、2022年以降からは、青チャートには載っていないような融合問題や解法暗記をしている受験生を振るい落とすような問題が出題されるようになっており、難化傾向にあります。
そして、2024年入試でも過去2カ年のような難易度になると考えてよいです。北大のHPに置かれている文書「令和5年度一般選抜学力検査等の試験問題及び正解・解答例等について」(公開は2023.9.30まで)を見ると、2024年に易化する気配を感じ取ることはできません。
この文書の最後にある「全般的な注意」からは大きなヒントが得られます。
以下に要点をまとめると、
「基礎的な計算力の低下」
「問題文をよく読んで内容をしっかり理解して欲しい」
「でたらめな議論では、たとえ答えが正解であったとしても0点である」
「受験生本人にしか理解できないような記述が多く見られた」
などかなり手厳しい表現が並びます。要するに、基礎的な数学力が身についていない受験生が多いということでしょう。
さらには、問題をどのように解いていくのかを「推論」し、論理的で簡潔な解答となるような「論証」や「証明」を求められています(実際に文章の中で、「推論」「証明」「論証」という言葉が散見されていました)
このことから、自分で仮説を立てて考ながら、他人に伝える能力が求められていることが分かります。
また、文書内で「融合問題」と表現された大問が3つ出てきており、大学側が意識して融合問題を出題していることも分かります。
このようなことを踏まえて、次に北大の理系数学を攻略するために青チャートの次にやるべき事を紹介していきます。
基本は過去問を解きながら青チャートを復習する
青チャートを一通りやったのであれば、間に何かを挟まずとも、過去問演習に入ってしまって構いません。しかし、ただ過去問演習をするのではなく、適宜、青チャートの練習問題を復習しながら進めていくのが良いです。
理由は、北大理系数学において2022年と2023年が難化したと先ほど述べましたが、それでも青チャートの「例題」を解いておけば、対応できる小問も半数近く出題されているからです。
それらの問題を確実に取れれば、医学部医学科のように高得点勝負が予想される学科以外は他の科目のがんばり次第で合格点に達するでしょう。逆に基礎的な問題を落としてしまうと周りの受験生に差をつけられてしまうので、周りが取れるところで確実に点を取ることが重要になります。
また、他にも融合問題への対処や「推論」「証明」「論証」のトレーニングは「どの参考書で積んだほうがいいですか?」という質問もあるかもしれません。
「入試数学の掌握(エール出版社)」「大学への数学 解法の突破口(東京出版)」がその為の代表的な参考書ですが、これらの参考書に手を出さずとも合格点は取れますし、北大の理系数学の過去問演習や類題を出す大学の過去問演習を通じて徐々にそれらの力を身につけることができます。
とはいえ、高度な参考書に手を出す余裕のある受験生は実際には極めて少ないと思います。北大側が「基礎的な計算力の低下」「問題文をよく読んで内容をしっかり理解して欲しい」と言っている部分を改善するだけでも、周りの受験生と差をつけることができるのです。
過去問とは別に青チャートの重要例題や演習例題を優先的に復習する
青チャートの「例題」には典型問題や頻出問題が並べられています。その中でも、「重要例題」「演習例題」であれば北大の理系数学と同程度の難易度の問題もあり、優先して復習しておくのが良いです。
たとえば、領域の図示についての「基本例題」は1変数のものしか見当たりませんが、「重要例題」だと2変数のものが登場します。以下の北大理系数学2022年の問題はまさに2変数の不等式です。
近年の北大理系数学の出題傾向からすると、「推論」「証明」「論証」の対策が必要なので、重要例題や演習例題に載っている少し議論が複雑な問題で練習をすると良いでしょう。

余裕があれば他に九州大と東北大の過去問を解く
過去4カ年の九州大学と東北大学の理系数学の過去問は、近年の北大の理系数学と同様に融合問題や「推論」「証明」「論証」を重視した問題を出題されています。難化した後の北大の理系数学によりアジャストする上で、出題意図が似ている九州大と東北大の近年4年分は演習価値が高いです。
たとえば、以下の九州大学の問題は参考になります。

出題内容を分類すれば、いわゆる「三角形の形状」と題される青チャート「例題」にも取り上げられている問題ですが、多くの受験生は(2)の4次式が2次式に変わった問題を教科書や青チャートの例題で解いて来ていると思います。
もちろん、出題者側も教科書に2次式である場合の問題が掲載されていることを知った上で、4次式である場合を考えさせたいのです。2次式の場合の問題でどのように問題が解けているのかまで理解した上で、(1)をどう結び付けるのかについて推論させて解かせたいという出題意図が見えます。
このような問題は北大の理系数学でも十分出題される可能性があるので、余裕があれば演習しておくと良いでしょう。
まとめ
北大の理系数学は近年難化傾向にあり、「推論」「証明」「論証」の対策、融合問題への対応を完璧にするにはたくさんの時間がかかります。そのため、基本方針としては、青チャ―トの例題レベルの問題を確実に取ることがまずは現実的な目標となります。
その上で余裕があり、もっと点数を取りたいと思っている場合には、青チャートの重要例題に絞って復習をしたり、九州大や東北大の過去問に取り組んだりすると良いです。
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旧帝大などの難関国公立、早慶などの難関私立、医学部などを志望している方や、共通テストや二次試験において数学で高得点を狙っている方で、数学がこんな状態になっていないでしょうか。
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毎年、当塾ではこういったご相談を多く受けます。
しかし、ある程度基礎力がついているにも関わらず数学で点数が取れない理由は、次のことが原因となっています。
なぜ数学の力が伸びないのか
ある程度のところまでは演習量で何となるものの、一歩上のレベルに行きたいと思っているのに、その”カラ”を破れないのには原因があります。
それは、参考書や塾で学んだことの表面しか見れていないからです。その裏側にある、他の問題や内容とのつながり、どういったことを意図して解いているのかといった立体的な視点を持つ必要があります。

↑の図のように、問題の裏側にあるものをどれだけ読み取って理解することが、数学で安定して点数を取ることに直結するのです。
ちまたでは、「参考書ルート」と呼ばれるものがあります。これは、この大学に行くにはこの参考書を解いておけば良いと言われるものです。
しかし、そのルート通りにやって合格する力が保証されるのなら、入試の合格最低点は高くなりもっと過激な競争になっているはずですが、そうはなっていません。
そのルートをたどって勉強しても合格できる人とできない人で別れてしまうのです。ルートをたどっても必ずしも合格できるだけの数学力がつくわけではない理由も、その参考書の裏側にあることをどれだけくみ取れているかが人によって違うためです。
解答の行間や解法の発想などの書いていないことをどれだけ拾えるかが重要になります。
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