北大の理系数学で合格点を取るには重要問題集で足りるのか?

高3の9月以降、北大の理系学部を受験する人から「夏休み明け以降どんな問題集をやればいいですか?」という質問が飛んできます。その中で、特に「この参考書はどうですか?」と聞かれるのが、「実践 数学重要問題集」です

自分の周りの友達が使っていたり、重要問題集を勧められたりすることで検討する人が多いようです。そこで今回はズバリ、北大の理系数学で合格点を取るには重要問題集で足りるのかについて説明をしていきます。

重要問題集はどんな問題集か?

この記事を読んでくださっている方には不要な説明かもしれませんが、一応説明していきます。

重要問題集は、毎年度改訂され出版される入試問題集です。多くの問題は最近5カ年から取り上げられていますが、中にはもっと古いものも取り上げられています。

理系用だと、総問題数300題。難易度順にA, B, Cと分類されていますがC問題は計15題程度で東大志望の人向けと言ってよいです。必解の印が付いている問題は170題ちょっとで、これが典型的な問題であり頻出の問題となっています

中には過去の九州大学や東北大学の問題なども入れられており難易度としては充分高く、一般的な入試対策としてはこの必解問題を解くだけでも価値があります。

ただし、青チャートやフォーカスゴールドの基本例題で習うような解法がインプットされていない人は、まだ手を出すべき参考書ではないことに注意しましょう

重要問題集は北大の理系数学の対策として最適か?

結論から話すと、重要問題集は一般的な入試対策としては十分ですが、北大の理系数学に特化した対策になるかというとノーです。以下にそのように結論づけた3つの理由を説明します。

① 重要問題集は良い意味でも悪い意味でも万人向けだから

重要問題集に限らず、受験学年用の問題集というのは編集方針としてどうしても典型問題や頻出問題を並べざるを得ません。理系の難関大志望者全員をターゲットにしているからです。つまり、当たり前のことではありますが、北大理系志望者だけをターゲットとした問題集ではないのです。

全体的な難易度や出題傾向が若干違うので、対策として外しはしないものの、ドンピシャで北大の対策ができるかというと微妙な内容になっています

そのため、他の大学も検討していて、北大以外の大学の志望度も高い場合には、重要問題集はある意味”スタンダード”な良い問題集であると言えます。しかし、北大しか考えてない人にとっては重要問題集は対策として中途半端なものになってしまいます。

近年の北大の入試問題が難化傾向にあるため

2つ目の理由は、北大の理系数学が難化傾向にあるからです。北大の理系数学は、2022年から急激に難しくなり、おそらく2024年も過去2カ年のような難易度と考えてよいと思います。

以前の北大の理系数学では教科書や青チャートに取り上げられている例題と一対一に対応するかのような問題が出題されていました。それでも完答は難しいものの、受験生にとってはどの道具を使うのか発想がしやすい問題が出題されていました。まさしく、典型問題と呼べるような問題です。

しかし、過去2カ年の理系数学の問題を眺めると教科書の例題と似た問題は少なくなり、典型問題とも分類されない大問も多くなりました。はっきりと、出題傾向が変わったと言っていいと思います。

では具体的に、どのように難しくなり、重要問題集では対応できないのかを見ていきましょう。

たとえば、北大の理系数学は「n回投げたサイコロ」「確率漸化式」のようにnが混ざった確率の問題が頻出であり、重点的に対策すべきですが、重要問題集にはその種の問題の数は多くはありません

他にも、過去2年で絶対値の混じった問題が2題出題されていますが、典型問題からの類推により解けた受験生は少ないはずです。仮に数学が得意で数学で差をつけようと考えた受験生がいても、典型問題だけを解いてきた人は突破できなかったでしょう。

つまり、合格最低点を狙うなら基礎力がもちろん大事なのですが、そこからさらに上げていくことを考えたときに、重要問題集とは違う別のアプローチをも探らねばならないわけです。

複数の単元を融合させた問われ方に対応できない

3つ目の理由は、重要問題集では複数の単元が融合した問題に対応しにくいからです。重要問題集は問題の構成上、単元ごとに問題が書かれているため、融合問題であることに気づき、対応する力を養うことができません

近年の北大の入試では、融合問題が頻出していますが、融合問題であることにまず気づくことが難しい問題が出題されています。たとえば、2023年大問1は以下のような問題が出題されました。

この問題は、複素数平面の問題に分類されます。⑴の問題文を読むと「数学的帰納法で示せ。」という指示がありませんが、数列分野で習う数学的帰納法を使って解く問題になっています。

試験当日、思いつかなった受験生もおられると思います。この指示がないというのはたいしたことでないように思えますが、以前から難関大学ではこの種の「敢えて、数学的帰納法で示せ、という指示を書かない」という作問がありました

要は、「すべての自然数nに対して」という問題文に反応して「もしかして数学的帰納法使うのでは?」と推測させたいわけです。こういったことに気づいて思い付くかどうかで15点は違ってくるでしょう。

他にも、2023年大問4では⑴で確率を問われているので、確率の問題と思いきや、不等式|x+y|≦|x|+|y|が有効な問題となっており、これも分野融合問題と言えるでしょう。

では、どう対策するのが良いか?

北大の理系数学の対策に限らず、受験で合格を掴み取るには何をどう進めていくかが大事になってきます。何度も言うようですが、基礎が固まっていなければ基礎固めが優先です。その上でどう対策を進めていけば良いかについて説明していきます。

九大や東北大など出題意図が似ている大学の過去問を解いてみる

北大の理系数学では以前から数列と整数問題の融合問題などが出るには出ていましたが、近年その融合問題を出題するという傾向は強まっています。そこで、対策方法として、北大の理系数学の過去問に加えて、2020-2023年の九州大学と東北大学の理系数学の過去問を解くことをおススメします

これらの問題は北大の理系数学と出題意図が似ており演習価値が高いです。解いてみると教科書の例題と一対一に対応するかのような出題ではないことに気付くと思います。

こういった問題に早くから慣れておくに越したことはありませんが、遅くとも、11月の模試のラッシュが終わった時期くらいから融合問題の対策に入りたいものです

公式や定理、問題の解法ごとにノートを作成する

先程は、何をすべきかについて話しをしましたが、それらをただやるだけではなく、自分の思考を言語化するノートを作るべきです。

北大の理系数学のような難しい問題に対峙する上で、「〇〇の使いどころ」「証明に詰まった時に探ってみるべき手法」といったまとめノートを作成して問題の見方を広げていくことが大事になってきます

例えば、三角不等式と呼ばれる|x+y|≦|x|+|y|という不等式があります。

おそらく、何も意識せずに学んでいると何となくそういう式があるんだという認識で止まってしまうかもしれませんが、その式がどのように応用されるのか、どのような問題で出題されるのか、考察を深めることが大事になってきます。

先ほど書いた「特に指示がない」問題を攻略するには、そういった考察を通じて、問題の理解度を上げていく必要があるのです。

まとめ

高3の9月からの対策ということで、重要問題集が北大対策として使えるのかを説明してきました。

重要問題集自体は万人向けの問題集ですので、北大以外をどれだけ考えているかで使うのかどうかを判断すると良いでしょう。近年の北大は難化傾向にあるので、北大対策に絞って勉強をしていくなら、九州大や東北大の過去問を解くことをおススメします。

また、問題を解くだけではなく、公式や定理、問題の解法についてどんな場面で使われるのかなどの考察をし、理解を深めることが重要になってきます。

ただし、これらの話しはあくまでも青チャートやフォーカスゴールドの例題が解ける基礎力が身に付いた上での話しになります。そういった基礎力が完璧でない人は基礎固めを優先すべきです。

いずれにしても、自分にあった戦略を見つけて合格を掴みとりましょう!

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旧帝大などの難関国公立、早慶などの難関私立、医学部などを志望している方や、共通テストや二次試験において数学で高得点を狙っている方で、数学がこんな状態になっていないでしょうか。

・基礎レベルの問題は解けるのに入試レベルになると手も足もでない。

・塾や参考書などで数学をたくさん勉強してきたにも関わらず数学が伸びない。

・勉強量に反比例して数学の成績が落ちてきている。

・過去問を解いても合格点に届く気がしない。

毎年、当塾ではこういったご相談を多く受けます。
しかし、ある程度基礎力がついているにも関わらず数学で点数が取れない理由は、次のことが原因となっています。

 

なぜ数学の力が伸びないのか

ある程度のところまでは演習量で何となるものの、一歩上のレベルに行きたいと思っているのに、その”カラ”を破れないのには原因があります。

それは、参考書や塾で学んだことの表面しか見れていないからです。その裏側にある、他の問題や内容とのつながり、どういったことを意図して解いているのかといった立体的な視点を持つ必要があります。

↑の図のように、問題の裏側にあるものをどれだけ読み取って理解することが、数学で安定して点数を取ることに直結するのです。

ちまたでは、「参考書ルート」と呼ばれるものがあります。これは、この大学に行くにはこの参考書を解いておけば良いと言われるものです。
しかし、そのルート通りにやって合格する力が保証されるのなら、入試の合格最低点は高くなりもっと過激な競争になっているはずですが、そうはなっていません。

そのルートをたどって勉強しても合格できる人とできない人で別れてしまうのです。ルートをたどっても必ずしも合格できるだけの数学力がつくわけではない理由も、その参考書の裏側にあることをどれだけくみ取れているかが人によって違うためです。

解答の行間や解法の発想などの書いていないことをどれだけ拾えるかが重要になります。

では、こういったことを独学でやっていけるのかというと、これまで裏側を読み取れていなかった人が急に読み取るのは難しいです。

これまでどんな姿勢で問題を解いてきたか、どんなことを意識して勉強してきたかで左右されてしまう側面があるため、急にそれを一人でやろうとしても難儀してしまうのです。

そこで、SoRaでは、問題演習はしているのに成績が伸びてこないと悩んでいて、目に見えていない部分で躓いている方を指導するためのコースを新設しました。

数学【カラ破り】コースって何?

社会人講師によるマンツーマンの90分授業

これまで数多くの入試問題を解き、数多くの生徒さんを指導してきた経験豊富な社会人講師が担当します。
授業は、基本的に「内容解説→演習→解説」という流れで行っていきます。
※そのときの状況次第では進め方を臨機応変に変えていきます。

過去問の添削指導

過去問などの記述問題に対する添削指導も行います。
現在も大学で教鞭をとる講師も在籍しているため、より採点現場に近い視点での添削を行います。

また、個々人の特性や志望校に合わせても添削を行うため、意識して直してほしい部分を段階を踏んで修正していきます。

あなただけの特別課題

毎週の課題として、あなただけの特別課題を作成します。

現状の数学力を踏まえた上で、基礎~応用に関係なく、今あなたが解くべき問題を担当講師がセレクトして出題します。

また、直前期では志望校の傾向も踏まえた上で、あなたの数学力を上げるために必要な問題を提供します。

24時間質問対応可能!

幣塾では、Slackというチャットアプリを用いて、24時間質問が可能となっております。授業外でも分からないことがあれば、いつでもどこでも気軽に質問を行うことができます(基本的に返信は24時間以内に行います)

オンライン自習室を利用可能

㈪~㈯の10:00~22:00の間でオンライン自習室を使うことができます。講師が在室している際には、直接質問することもできます。

【指導対象】

東京大、京都大、大阪大、名古屋大、東北大、九州大、北海道大、東京工業大、一橋大、神戸大、千葉大、各大学医学部、早稲田大学、慶応大学

といった難関大を志望されている方。

その他、共通テストや二次試験で数学で高得点を取りたい方。

文系・理系は問いません!

 

【定員】

指導可能な講師の人数に限りがございます。定員は現在3名とさせて頂きます。

 

 

数学【カラ破り】コースを担当する講師の指導を受けていた生徒さんの合格体験記はこちら↓

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