【2024年版】日本大学理工学部の数学は難しい?傾向・対策・合格のための参考書ルートを紹介!

今回は、日本大学 理工学部A日程の数学の攻略方法について解説します。参考書のみを使った方法に限定した誰もが使える攻略法なので、ぜひ友達にも教えてあげてください。理系専門塾がどこよりも詳しく解説をしていきます。それでは始めましょう。

【この記事を読むべき人】

  • 日本大学理工学部に絶対に合格したい人
  • 日本大学理工学部の数学ではどんな問題が出るかを知りたい人
  • 普段使っている参考書で戦えるか知りたい人

【自己紹介】
重原 成聖
東京科学大学大学院に在籍中。「理系のための大学受験塾SoRa」の講師を兼務しており、他塾も含めて5年間もの指導実績がある。これまでの指導で数学の偏差値を40→63.4に上げるなど、理数系科目の指導を得意としている。

目次

日本大学 理工学部の数学の基本情報

まず、日本大学 理工学部A日程の2020年度入試以降の個別試験について以下の表にまとめました。

日本大学はN方式とA日程があり、A方式では理工学部独自の問題が出題されています。試験日程は2/11で、自分が受験したい方式を見定めることが必要です。

大問構成7問
試験時間90分
出題形式大問1, 2 小問集合(3題)
大問3~7 テーマごとに出題
解答形式大問1は答えのみ、大問2~4は記述式
配点数学 100点満点
理科 100点満点(物理と化学で各3題ずつから任意の3題を選択)
英語 100点満点
計300点満点
数学の目標点数数学が苦手な人:65%
数学が得意な人:80%
頻出分野◎確率、微積分、ベクトル
◯図形と方程式、図形と計量
◎は毎年、大問のテーマになったり、何らかの形で出題される頻出分野
○は◎ほどではないにせよ、よく問われる分野

次に2023、2024年の英数理合計での「合格最低得点率」をまとめました。合格のボーダーラインが学科によって大きく変わるため、自分の目指す学科に合わせてご覧ください。

学科2024年2023年
土木工34.6%50.9%
交通システム工44.6%52.7%
建築70.3%74.0%
海洋建築工58.1%68.2%
まちづくり工57.7%70.8%
機械工50.9%60.4%
精密機械工41.6%53.7%
航空宇宙工48.6%58.9%
電気工47.0%60.4%
電子工50.9%59.7%
応用情報工68.0%73.8%
物質応用化49.7%59.9%
物理52.0%58.1%
60.1%69.4%

日本大学 理工学部の数学の傾向・対策・目標点数

日本大学 理工学部の数学の特色は、「黄チャートの基本例題レベルの問題が全範囲から出題されること」と「問題量が多く時間配分が難しいこと」にあります。小問集合を含む7つの大問を90分という限られた時間で正しく解答する能力が求められます。

  • 頻出分野は、数IIと数III範囲の微積分、確率、ベクトルの3分野です。
  • 微積分は特に重要で、毎年2つの大問が出題されています。数IIの微積分を用いた求積問題から数III範囲の媒介変数を用いた回転体の体積問題まで幅広く出題されています。難易度は黄色チャートの例題レベルとなりますが、その中で煩雑な計算を正確にこなすという能力も求められます。
  • 確率も2020年度以降は毎年出題されている頻出分野です。難易度はこちらも黄チャートの基本例題レベルとなります。昨年は条件付き確率が出題されるなど、さまざまなパターンの問題に慣れておく必要があります。
  • ベクトル分野も頻出で、過去5年間で4回出題されています特に空間ベクトルが出題されており、計算量が少し多めになっています。問題で図形が与えられていないため、問題文をしっかりと読んで自分で図を描くことなど丁寧に解く必要があります。
  • 小問集合では、特に数IAIIBの全範囲から満遍なく問われています。データの分析や式と証明、指数対数などの対策が薄れてしまいがちな範囲が広く出題されているため注意が必要です。小問集合とはいえ、比較的計算量の多い問題が出題されている傾向にあります。時間を使い過ぎず、テンポよく丁寧に解き進めていく能力が求められています。
  • 年度や学科によって合格最低点が大きく違います。建築学科と応用情報工学科は毎年の合格最低点が高い傾向にありますが、それ以外の学科は年度によって変わってきます。自分の志望している学科の最低点を調べた上で、どのレベルの問題まで解けないといけないかを考えましょう。
  • 問題数、計算量も多く制限時間に追われることになります。各分野、黄チャートの基本例題レベルを自信を持って解けるまで繰り返し解いていきましょう。限られた時間の中でできるだけの多くの問題を正解するためにも、日頃から制限時間を設けて演習を行うなどの工夫が必須です。

日本大 学理工学部への参考書ルート・攻略法

日本大学 理工学部の数学を攻略するための参考書ルートを説明します。【基礎固め】→【定石習得】→【実践演習】の順番で進めていきます。 

  • 基礎固め
    • 教科書ガイド
    • 初めから始める数学シリーズ
  • 定石習得
    • 黄チャート
    • やさしい高校数学シリーズ
    • 基礎問題精講シリーズ
  • 実践演習
    • 赤本(過去問)
    • 紫チャート
    • 坂田アキラの 数IIIの微分積分が面白いほどわかる本

【基礎固め】

基礎固めの参考書は、学校の数学の授業進度に合わせて使うのがベストです。もし学校の進度が遅い場合には、予習用の教材としても使うことができます。教科書に合わせた「教科書ガイド」か、「初めから始める数学シリーズ」のどちらかを使って勉強を進めていきましょう。

数学において、この【基礎固め】は非常に重要です。公式の成り立ちや使い方、言葉の定義などをしっかりと押さえておかないと、この後いくら勉強しても成績が上がりません。そういった生徒をたくさん見てきました。数学を得意だと思っている人は飛ばしがちなフェーズですので、絶対にきちんとやっておきましょう

教科書ガイド

教科書ガイドは教科書の練習問題や章末問題の解説が載っている参考書です。教科書の説明を読みながら、教科書ガイドを使って教科書の問題を進めていくことで文字通り”教科書レベル”に到達することができます。

学校で使っている教科書ごとに教科書ガイドはあるので、使っている教科書の教科書番号をもとに購入しましょう。

初めから始める数学シリーズ

初めから始める数学シリーズは、教科書の説明を噛み砕いた口調で教科書レベルの内容を説明してくれている参考書です。教科書口調が合わない人は、こちらの参考書で基礎固めをするのがおすすめです。こちらも教科書同様に学校の授業の予習や復習におすすめです。

【定石習得】

【定石習得】では、【基礎固め】で教科書レベルの内容を理解している前提で、数学の問題でよく出てくる定石となる解法を学んでいきます3冊のうちどれか1冊を進めましょう

日本大学 理工学部の数学の特色を考えると、これらの【定石習得】のフェーズが合格を左右すると言ってもいいでしょう。基本的な問題をテンポよく解くことを徹底し、時間制限の厳しい試験を乗り切るための武器を磨きましょう。

時期としては、【定石習得】の参考書を高3の夏休みまでに6割ほど解ける状態を目指しましょう。【基礎固め】の参考書の内容を全てやってから【定石習得】に入っても構いませんし、分野ごとに【基礎固め】から【定石習得】までを一気にやってしまってもOKです。

黄チャート

黄チャートは、教科書例題レベル〜章末問題、入試レベルの問題が掲載されている網羅系参考書です。黄チャートには基本例題、重要例題、補充例題の3種類がありますが、そのうち基本例題を確実に解けるように入試直前まで繰り返し演習しましょう。
また、日本大学 理工学部の比較的合格点が低い学科を志望している場合には、黄チャートよりも基本的な問題が載っている白チャートでの代替も可能です。いずれにせよ、日本大学理工学部の数学を攻略していく上で基本的な問題を確実素早く解ける力を身に付ける必要があります。

やさしい高校数学シリーズ

やさしい高校数学シリーズは、初学者を前提に教科書の内容からさかのぼって定石を丁寧に説明してくれている参考書です。そのため、勉強時間がない受験生は、やさしい高校数学で【基礎固め】も兼ねてしまうのもアリです。

黄チャートと比べると網羅性は落ちますが、受験数学に頻出である定石の解法を一通り学ぶことができます。

基礎問題精講シリーズ

基礎問題精講シリーズは、やさしい高校数学や黄チャートよりも網羅性に欠けますが、最低限の定石となる解法を少ない問題数で学ぶことができる取り組みやすい問題集です。黄チャートをやる時間がない人や、やさしい高校数学が丁寧すぎて逆にくどいと感じる人におすすめです。定石の網羅性は低いので、苦手分野や頻出分野は必ず黄チャートと組み合わせて演習をしていきましょう。

【実践演習】

最後の【実践演習】では、日本大学 理工学部の入試で得点できるレベルまで引き上げるフェーズとなります。

【定石習得】のフェーズで紹介した問題集を固めてくれれば、問題を解くために必要な知識は揃っています。そのため、基本は過去問を解いて【定石習得】の参考書を復習していくのを受験直前まで続けてください。

しかし、日本大学 理工学部の問題は出題範囲が多岐に渡ります。定期的に知識のメンテナンスを行い、ちゃんと覚えているかどうかを確認する必要があります。そのため、赤本以外の問題集も使いながら演習を進めていくのが良いです。このフェーズは、できれば高3の夏休みから実施できることを目標にしていきましょう。

赤本(過去問)

赤本は直前期にやるのが一般的ですが、直近1年分のみ5,6月くらいに一度解いておくのをオススメします。日本大学 理工学部の問題がどのレベルなのか、どれくらい制限時間が厳しいのかを肌感覚で知っておくことで注力すべきことが具体的になります。【定石習得】の参考書をやる中で現状とのレベル差を確認をしておくと、到達目標を具体的にイメージしやすくなります。

また日本大学 理工学部では確率の範囲が頻出です。共通テストではなく、センター試験の確率の問題を練習することで実力を養成することができます。こちらも併せて使用すると合格がグッと近づきます。

紫チャート 理系対策 入試必携168 IAIIBIIIC

紫チャートは、これまで習った全範囲の基本問題が168題に集約されています。全範囲を効率的に復習し、その中で見つけた苦手な範囲を【定石習得】の参考書に戻って復習するという流れで知識のメンテナンスが実施できます。赤本と並行し、苦手分野を見つけるとともに、自信を付ける上で非常におすすめです。

坂田アキラの 数IIIの微分積分が面白いほどわかる本

数Ⅲの微積分の考え方を固めるのにちょうど良い参考書です。【定石習得】に近い参考書ではありますが、一通り学んだ後にやると知識が体系化されて、数Ⅲの微積分が得意になるはずです。問題が難易度ごとに分類されており、「ちょい難」までの問題を確実に解けるようにしておきましょう。

まとめ

ここまで、日本大学 理工学部の数学の傾向とその対策、参考書ルートを紹介してきました。日本大学 理工学部の数学は、基本的な問題が多く出題されているとはいえ、範囲の広さと制限時間の厳しさから徹底的な対策が必要です。現状と対策をしっかりと見極めた上で、自分のやるべき勉強をしていきましょう。

理系のための大学受験塾SoRaでは、あなたがやるべき参考書やその勉強法を無料面談でお伝えしています。ここで紹介した参考書だけでなく、あなたの学校の進度や学習状況に合わせてより最適な参考書やその勉強法をお伝えしています。

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この記事を書いた人

百瀬 浩市のアバター 百瀬 浩市 理系のための大学受験塾SoRa 代表/塾長

埼玉県立所沢高校を卒業。現役で東京農工大学工学部に入学。(その他、東京理科大学理学部、明治大学理工学部、芝浦工業大学工学部、東洋大学理工学部にも合格)
大学在学中に大手予備校にて指導経験を積む。大学卒業後、地元の個別指導塾にて教室長を務めたのち、理系のための大学受験塾SoRaを立ち上げて現在に至る。

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