数学の学力を爆上げする参考書の選び方と進め方
みなさんは友達や先生から数学の参考書を紹介されて使ってみたものの、自分にはあまり合わなかったという経験をしたことはないでしょうか。
そういったことが起こる理由は、紹介した人にとっては良い参考書でも、それが他の人にとっっても良いとは限らないからです。これは当塾のブログで紹介している参考書も同じことが言えます。(だからこそ、公式LINEで個別の無料相談を実施しています)
つまり、その参考書が自分に合っているかを最後は自分で判断しなければなりません。実際に使ってみて決めればいいわけですが、すべての参考書を実際にやってみるほどの時間はないはずです。
そのため、使い始める前にある程度は自分自身で吟味する必要があります。さらには、参考書をどのように使っていけば学力が上がるのかも考えなければなりません。
しかし、こういったことを根拠を持って考えられている人は少ないと思います。そこで今回は、理系専門塾の塾長が自分に合った参考書の選び方と進め方を解説していきます。自分に合った参考書を探して、数学の偏差値を爆上げしていきましょう。
【この記事を読むべき人】
- これから受験勉強を始めようとしている人
- 自分に合った数学の参考書を探している人
- 数学で伸び悩んでいる人
- 今使っている参考書が自分に合っているかを知りたい人
【自己紹介】
百瀬 浩市
「理系のための大学受験塾SoRa」代表。数学の指導において、幅広いレベルの生徒を担当。定期テストで赤点が続いていた生徒が80点を安定して取れるまでに引き上げる、数学が苦手な難関大学志望者を合格点まで導くといった指導実績を持つ。
自分に合った問題集の選ぶ3つのポイント
ポイント1. 問題量が少なく周回できるものを選ぶ
どんなに良い参考書でもそれをやり切って、知識を吸収ことができなければ、意味がありません。まずは自分自身が余裕を持って周回できると思える問題量の参考書を選びましょう。
特に、「余裕を持って」というのがポイントです。
参考書を選ぶとき、「頑張ればできそう」となぜか自分に謎の期待をして、自分にとってハードな参考書を選んでしまう人が多いです。
しかし、90%以上の人は結局忙しくなってやりきれなくなります。これは受験生なら誰しもが経験するあるあるです笑
たとえば、チャートなどの網羅系の数学の参考書を「数ⅠAからやっていこう!」と一念発起するも、因数分解あたりからダレてきて、集合と命題あたりで力尽きるというのがよくあるパターンです。
意図して特定の分野のみをやるのはアリですが、中途半端にしかできないと大抵の場合は力がつきません。何よりも数学の勉強に挫折したというレッテルを自分に貼ってしまい、自己肯定感が下がります。そして、さらに数学に対してのモチベーションが下がるという悪循環に陥ります。
そのため、急な部活の予定や学校の課題が入ったり、自分のやる気が下がったりしても続けられそうだと思えるものを選ぶのが大事なのです。
目安としては、普段の生活の中で8割くらいのパワーで終えられそうな参考書を選ぶのが良いでしょう。マックスの勉強時間を想定して、頑張ればギリギリ終わると考えているうちは絶対にやり切ることは不可能です。
ポイント2. 問題の4割程度はすでに答えられそうなものを選ぶ
ポイント1で自分がやり切れる参考書を使っていくべきだと話しました。先ほどは分量の観点で説明しましたが、それは問題の難易度も同じです。すでに4割程度は答えられそうな問題が載っている参考書を選んでやることで、自分にとってちょうど良い負荷で学ぶことができます。
多くの人は、勉強とは未知の内容を学ぶものだと考え、自分が解けない問題ばかり載っている問題集を選んでしまいます。
しかし、そういった難しい参考書をやってみたらどうなるかを少し想像してみてください。
1問1問取り組んでみるものの、全ての問題で解法が思いつかない。解説も難解で読むのに時間がかかるから、進みが遅くなる。頑張って1周した頃には、最初の内容を忘れているから、結局また1から解説を読むことになる、、、
これって結構な苦行じゃないでしょうか?笑
数学が好きで解説を読むのが苦でない場合はそれでもいいかもしれませんが、大抵の場合は挫折してしまうと思います。自分が知っている問題が4割程度載っている方が、学びも得られつつ参考書を進めることができるのです。
もちろん、分野によって自分ができそうな問題の割合にはムラがあると思います。しかし、全体で見て4割程度正解できる問題集であれば、トータルで見たときにスムーズに終えられるはずです。
また、仮に自分で答えられそうと思っても、意外と答えられなかったり、正攻法の解き方を知らなかったりするパターンもあります。
自分が知っているからできるという認識ではなく、自分が知っていることの中に抜け漏れがないかをチェックすべきです。
基礎的な問題であればあるほど、その抜け漏れがのちに大きく響いてきます。できていると思っていることを本当にできているかを確認して、数学の基礎の地盤を固めていきましょう。
そういった意味でも、自分が4割程度はできる”と思っている”参考書を選んで進めるべきなのです。
ポイント3. 解説がわかりやすいと感じるものを選ぶ
ポイントの3つ目は、解答解説を読んでわかりやすいなと感じる参考書を選びましょう。「わかりやすい」と感じるかどうかは、完全に主観による判断ですが、ここでは3つの判断基準をご紹介します。
判断基準1:問題よりも解説の分量が多いものを選ぶ
大前提として、数学の良い参考書は漏れなく問題に対して解説の分量が多いです。数学の問題をわかりやすく詳しく解説しようとすると必ず解説の量は多くなります。1つの問題に解説が3ページほど必要になることもあります。
にもかかわらず、問題と解説の分量が同じになっている参考書は、途中式が省略されていたり、前提となる知識が省略されていたりする可能性があります。そういった参考書はあまりおすすめはできません。
判断基準2:本屋で1トピックを立ち読みしてみる
解説がわかりやすいかを判断するのには、読んでみるのが1番手っ取り早いです。その時に、問題の解説でも、1つの単元の解説でもなんでも構わないので、2-3ページほどのトピックを読んでわかりやすいと感じるものを選びましょう。
特に、気になる問題集がいくつかある場合には、同じような問題や分野を解説しているページを複数見比べてみるのが良いです。
解説の細かさ(自分にとって解説がやさしすぎるのか難しすぎるのか)や、図やグラフのレイアウトなどを比較すると自分にとっての良し悪しが見えてくるはずです。
判断基準3:解答の方針が載っているものを選ぶ
この後の参考書の進め方にも、関わってきますが、問題の解答の方針が載っているものを選ぶべきです。特に入試レベルなどの難易度の高い問題が載っているものほど重要です。
難しい問題になればなるほど、解答を書き始める前のところで詰まります。問題のどの部分からヒントを得て、その解法が思いついたのか、そもそもどういった解法の定石があるのか、など問題を解き始める前に考えることがたくさんあります。
そういった出来る人の思考までもがなるべく言語化されている参考書を選んで、学習を進めていくのが、入試レベルにおいては必須です。
数学の学力を上げる問題集の取り組み方
自分に合った数学の参考書を選んだら、ここからはそれをどのように有効活用していくかをご紹介します。どんなに良い参考書を選んでも取り組み方が良くなければ成績は上がりません。どんな数学の参考書においても意識してほしいポイントをお伝えします。
その参考書の全ての問題で「得点できる」状態になるまで繰り返す
当たり前ではありますが、その参考書に載っている問題を全てスムーズに正確に解けるまで繰り返すことが大事です。つまり、大学入試において、「得点できる」ところまで練度を高める必要があります。
要は「参考書を繰り返せ!」というよくある脳筋なアドバイスです。
けれども、その裏にある意図まではしっかりと言語化できている人は少ないと思います。ここでは、数学の問題の練度という観点で説明をしていきます。
数学の問題の練度は以下の3段階に分かれます。
- 理解する
- 解ける
- 得点できる
「理解する」というのは、その問題をどのように解いていくかが分かる状態です。イメージとしては、その問題を解くにあたって必要となる定理や公式は知っているような感じです。
しかし、「理解する」と「解ける」は別物です。どの定理や公式を使うのかを知っていたとしても、どの場面でどのように使うかを知っていなければ解けませんし、途中の計算方法で詰まる可能性すらあります。
そういった意味で、白紙の状態で答案を最初から最後まで自力で書ける状態が「解ける」にあたります。
ですが、大学入試において、解けたらOKかというとそうではありません。その問題が解けたとしても、時間がかかっていたり、計算ミスばかりしていては入試で得点するところまではいきません。
時間制限があって一発勝負の大学受験を乗り越えるためには、速く正確に解ける(得点できる)まで練度を高める必要があるのです。
参考書の選び方のところで、周回しやすいものを選ぶという話をしましたが、何回も周回することを前提にしなければ「得点できる」状態には辿り着くことができません。
周回をしてスラスラと正確に解ける状態まで持っていて、初めて入試において知識が武器になりえるのです。
覚えることをいかに少なくして解くかを考える
とはいえ、何も考えずにただ繰り返すだけでは成績は上がりません。数学の問題のバリエシーションは無数にあるので、1つずつ解法を覚えていたらキリがないからです。というか不可能です。
だからこそ、なるべく覚えることを少なくして解けるかを意識しながら参考書を進める必要があります。
たとえば、ある分野の問題を解くにあたって、よく使う公式や定理があった際に、どういった場面で使うのかを一般化しましょう。「こういった場面に出くわしたら、これを使う」と覚えておけば、問題を解くときにその場面に該当するかを見て、その公式や定理を使うかを判断できます。
もちろん、問題の解き方だけでなく、数学の公式や定理についても同様に言えます。公式や定理もなぜそれが成り立つのかを知っていれば、覚えていなくても導けるものは多くあります。
こういった意識を持って学習できるようにするには、「なぜ?そうなる?」を徹底して考えることが大事です。
なぜそうなるかを考えることができれば、問題を体系的に理解できるようになり、最終的に覚えることを少なくして解くことができます。
特に以下の4つの項目についてWhy?をぶつけることが非常に重要になります。
どうしてその解法が思いつくのか?
解法の指針となる発想がどのように思いつくのかを考えましょう。特に、解答の1行目に書かれている内容について「なぜ、そうする?」を考えてみてください。
解答の指針が書いてある参考書にはそれに対してのAnswerが書かれているはずです。これを毎回意識することで、難しい問題に対しても対処できるようになります。
なぜその公式や定理を使おうという発想になるのか?
模範解答を見ると唐突に公式や定理が出てきて使われている場合があります。そういった例を見ると、こんな発想は思いつかないと思うかもしれません。しかし、その公式や定理を使うという発想が思いつくヒントとなるような式や図、問題文が必ずあります。
なぜその公式や定理を思いつけるのか?どこをヒントにして着想したのか?それらを自分なりに考察していくことが大事です。
自分の答案がどうしてダメなのか
自分の答案が間違っていた時に、正しい答えを見て納得するだけでなく、どうして自分の答えが違うのかを考えましょう。特に正解できたと思ったのに間違えた問題については、自分が見落としているポイントがあるはずなので、それを探ることが大事です。
もしその中で間違った操作をしているのに気づいた場合には、なぜその操作をしてはいけないのか?を考えましょう。
まとめ
ここまで、数学の学力を爆上げする参考書の選び方と進め方を紹介してきました。
選ぶ際には以下の3つのポイントを押さえましょう。
- 問題量が少なく周回できるものを選ぶ
- 問題の4割程度はすでに答えられそうなものを選ぶ
- 解説がわかりやすいと感じるものを選ぶ
参考書の進め方で大事なのは、以下の2つです。
- その参考書の全ての問題で「得点できる」状態になるまで繰り返すこと
- 覚えることをいかに少なくして解くかを考えること
1点目は脳筋なアドバイスですが、基準を常に入試で得点できることに標準を合わせること。2点目は模範解答や自分の答案に「なぜ?」をぶつけて体系的な理解を目指すことがポイントです。
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