【2024年版】日本大学理工学部の物理は難しい?傾向・対策・合格のための参考書ルートを紹介!
今回は、日本大学 理工学部の物理の攻略方法について解説します。参考書のみを使った方法に限定した誰もが使える攻略法なので、ぜひ友達にも教えてあげてください。理系専門がどこよりも詳しく解説をしていきます。それでは始めましょう。
【この記事を読むべき人】
- 日本大学 理工学部に絶対に合格したい人
- 日本大学 理工学部の物理ではどんな問題が出るかを知りたい人
- 普段使っている参考書で戦えるか知りたい人
【自己紹介】
重原 成聖
東京科学大学大学院に在籍中。「理系のための大学受験塾SoRa」の講師を兼務しており、他塾も含めて5年間もの指導実績がある。これまでの指導で物理の偏差値を39→60に上げるなど、理数系科目の指導を得意としている。
日本大学 理工学部の物理の基本情報
まず、日本大学 理工学部A方式の2020年度入試以降の個別試験について以下の表にまとめました。
日本大学はN方式とA方式があり、A方式では理工学部独自の問題が出題されています。試験日程は2/11で、自分が受験したい方式を見定めることが必要です。
大問構成 | 3問 |
試験時間 | 60分 |
出題形式 | 大問1 力学 大問2 電磁気 大問3 熱力学+(波動or原子) |
解答形式 | 全てマークシート式 |
配点 | 数学 100点満点 理科 100点満点(物理と化学で各3題ずつから任意の3題を選択) 英語 100点満点 計300点満点 |
数学の目標点数 | 物理が苦手な人:45% 物理が得意な人:75% |
頻出分野 | ◎気体の状態変化 ◯単振動、回路の問題 |
○は◎ほどではないにせよ、よく問われる分野
日本大学 理工学部のA方式では、理科科目を選択することができます。問題用紙には、物理3題、化学3題が記載されており、計6題の中から3題を選びます。
たとえば、「物理から3題」や「物理から2題、化学から1題」というような受験も可能です。化学も勉強している人は、現状の学習の進み具合や、自分の得意分野を見定めて戦略的に科目を選択しましょう。
次に2023、2024年の英数理合計での「合格最低得点率」をまとめました。合格のボーダーラインが学科によって大きく変わるため、自分の目指す学科に合わせてご覧ください。
学科 | 2024年 | 2023年 |
---|---|---|
土木工 | 34.6% | 50.9% |
交通システム工 | 44.6% | 52.7% |
建築 | 70.3% | 74.0% |
海洋建築工 | 58.1% | 68.2% |
まちづくり工 | 57.7% | 70.8% |
機械工 | 50.9% | 60.4% |
精密機械工 | 41.6% | 53.7% |
航空宇宙工 | 48.6% | 58.9% |
電気工 | 47.0% | 60.4% |
電子工 | 50.9% | 59.7% |
応用情報工 | 68.0% | 73.8% |
物質応用化 | 49.7% | 59.9% |
物理 | 52.0% | 58.1% |
数 | 60.1% | 69.4% |
日本大学 理工学部の物理の傾向・対策・目標点数
日本大学 理工学部の物理の特色について説明します。「穴埋め形式で解答を選択する」問題が出題されます。問題の難易度はセミナーやリードαなどの学校配布の問題集レベルですが、文章を読みながら情報を整理し、問われていることを正しく解釈する能力が求められます。
出題分野は、「力学」「電磁気」「熱力学」が毎年の大問のテーマになっています。それに加えて、「波動」と「原子」が年ごとにランダムで出題されます。出題頻度が低い分野もありますが、全体の範囲から毎年満遍なく出題されますので、優先順位をつけながら全体を漏れなく学ぶことを心がけましょう。
さらに具体的に、各分野の特徴についても分析しました。
- 力学では、単振動や2物体の問題をテーマとした典型的な問題が出題されています。一方で、2020年以前には万有引力やモーメントの問題も出題されており、力学分野全般の典型問題を演習しておくことが重要となります。
- 力学分野での解答の選択肢が非常に似ており、特に符号への意識は重要視されています。日頃から自分で図を描き、座標軸を設定できるかどうかが攻略の鍵となります。
- 電磁気では、回路の問題が多く出題されています。特に電気分野からはコンデンサは頻出で、正確に解法を再現できるようにしましょう。磁気分野からはコイルを含む回路の問題や、電磁誘導の問題が出題されており、これらの典型パターンをしっかりと解けることが求められます。
- 熱力学では、気体の状態変化をテーマとした問題がほぼ毎年出題されています。問題文には、状態を表すような図は与えられないため、文章を読んで整理することが求められます。
- 波動では、音波などの力学的波動が多く出題されています。波の種類や関係式、反射・合成などの基本事項を押さえることが重要です。また、近年は光学的波動分野も出題されています。特に光の干渉については丁寧に理解し、典型問題を解けるようにしておきましょう。
- 過去5年間で1度ですが、原子分野が出題されています。現状、上記の分野が安定してきた方は、学校配布問題集の基本問題までを練習しましょう。各現象の公式導出過程と結果を覚えることで効果的に得点できるはずです。
全体的に、文章量が多い上に、選択肢が非常に似通っているという特徴があります。文章を読みながら情報を整理し、自分でしっかりと計算を行うことが重要です。
日頃の問題演習から、ストーリー立てて問題を理解することが対策の1つになります。問題を解くときに、いきなり「公式を使う!」ではなく、「なぜここでこの公式を使うのか?」にまで注目して勉強を進めていきましょう。
またマークシート式だからといって簡単になるわけではありません。自分で計算をした上で、選択肢をよく観察し正解の選択肢を選べるよう、本質的な理解と演習を積んでいきましょう。
日本大学 理工学部への参考書ルート・攻略法
日本大学 理工学部の物理を攻略するための参考書ルートを説明します。【基礎固め】&【定石習得】→【実践演習】の順番で進めていきます。
- 基礎固め&定石習得
- 宇宙一わかりやすい高校物理シリーズ
- 漆原晃の面白いほど分かる物理シリーズ
- 良問の風
- 実践演習
- 赤本(過去問)
- 学校配布の問題集
【基礎固め&定石習得】
物理では、【基礎固め】と【定石習得】のフェーズがセットになります。物理はそもそも問題として出題されるパターンは数学ほどは多くありません。物理の内容を理解する過程で、出てくる問題が解けさえすれば物理の基礎固めとともに、定石を習得したことにもなります。
このフェーズで大事なのは、「現象を数式で表現する」ことです。物理に出てくる公式を安直に暗記せずに、なぜその公式が成り立つのか、どういった場面で使えるのかを言語化することを意識しながら勉強をしていきましょう。
【基礎固め&定石習得】の参考書は、学校の授業の進度に合わせて進めていくのがいいでしょう。受験生の場合であれば、夏休みごろまでに全範囲を1周した上で夏休みに全範囲を復習できるのが理想です。
ただ、この【基礎固め&定石習得】のフェーズを完璧にするだけで、日本大学 理工学部の物理で合格点を取れるくらい、大事なフェーズです。焦らずに受験直前まで何周もするつもりで、公式の導出や使い方、言葉の定義などをしっかりと固めましょう。
宇宙一わかりやすい高校物理シリーズ
宇宙一わかりやすい高校物理シリーズは、教科書の内容をたくさんの図やイラストを用いて説明している参考書です。公式の導出も丁寧に学ぶことができ、巻末の問題集まで一通り練習することで、「良問の風」や「学校配布の問題集」にチャレンジする力が鍛えられます。計画的に苦手な範囲から実践していきましょう。学校の授業で「物理苦手かも」と感じた人は、こちらを用いて根本的な理解をしていくことをオススメします。
漆原晃の面白いほど分かる物理シリーズ
漆原晃の面白いほど分かる物理シリーズは、公式の導出から使い方までを深く理解できる参考書です。各章にチェック問題があり、学校問題集の発展問題レベルのものを丁寧に解き進めることができます。学校の物理の授業を受けていてそこそこ理解できている実感がある人におススメの参考書です。
良問の風
良問の風は、上記2冊の参考書のどちらかを完璧にした後にやるのがおススメです。全範囲の典型的な問題が148題に集約されており、日本大学 理工学部の物理を攻略するために必要な演習力が鍛えられます。間違えた問題は、上記の参考書に戻りしっかりと復習し、解答解説も丁寧に読み込みましょう。
【実践演習】
【実践演習】では、【基礎固め&定石習得】で理解と解ける感覚を養成したのちに、実際に日本大学 理工学部の問題を確実に解けるレベルまで引き上げるフェーズとなります。
【基礎固め&定石習得】で紹介した参考書をしっかりとこなせば、実際の入試問題を解くために必要な知識は揃っているはずです。そのため、基本は過去問を解いて【定石習得】の参考書を復習していくのを受験直前まで続けてください。
しかし、日本大学 理工学部の問題は出題テーマがなかなか予想できないのも事実です。定期的に広い範囲の知識を整理し、ちゃんと覚えているかどうか、解き方を再現できるかどうかを確認する必要があります。そのため、苦手な分野は、【基礎固め&定石習得】を何度も復習すると同時に、赤本以外の問題集も使いながら演習を進めていくことをおススメします。
赤本(過去問)
赤本は直前期にやるのが一般的ですが、直近1年分のみ5,6月くらいに一度解いておくのをオススメします。日本大学 理工学部の物理の問題がどのレベルなのかを肌感覚で知っておくことで、注力すべきことが具体的になります。【基礎固め&定石習得】の参考書をやる中で現状とのレベル差を確認をしておくと、到達目標を具体的にイメージしやすくなります。
学校配布の問題集
「セミナー物理基礎+物理」「リードα物理基礎・物理」「実践アクセス総合物理」などの学校で配布される問題集です。日本大学 理工学部の物理は、学校配布の問題集の発展例題レベルの問題が出題されています。そのため、赤本と合わせてさらに演習したい箇所を分野ごとに進めるといいでしょう。ただ、問題を解くのが難しいと感じた場合には、【基礎固め&定石習得】を再度やってから再挑戦することをおススメします。
まとめ
ここまで、日本大学 理工学部の物理の傾向とその対策、参考書ルートを紹介してきました。日本大学の理工学部の物理は、学校配布の問題集の発展例題レベルの問題が多く出題されているとはいえ、文章量の多さと様々なテーマが出題されることから、徹底的な対策が必要です。ぜひこの記事を参考にし、合格するための道を切り開きましょう!
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