看護師になるには文系?理系?どっちが良い?② 塾長の個人的な意見

今回の記事は前回の続きとなっております。

まだお読みでない方はこちらから↓
看護師になるには文系?理系?どっちが良い?①



前回の結論として、四年制大学の看護学部に入ることを目標にするなら文系大学に入ってからの勉強のことも考えるなら理系という話をしました。


今回はこの裏にある生徒の気持ちを想像しつつ、大学側が求めている力は何なのか?について私見を交えて説明したいと思います。

目次

理系で受験した方が偉い?文系で受験したら逃げ?

まず、理系で受験するか悩んでいる子の多くは、「看護学部に行くのに理系でいいのか?」という気持ちがあるように思います。


「文系受験でほとんどの看護学部を受けられるよ」といって、「そうなんですね!じゃあ文系受験します!」と二つ返事に言えちゃう人は、前回の結論を聞けばおそらく悩むことはないです。


ただ、前回の話を聞いた上で悩む人も一定数います。


そういった人は、


看護学部に入ったら、生物周辺の専門的な勉強をしないといけないし、理系受験じゃないと、大学入ってからきついのでは?


看護学部という理系チックなところに行くのに、理系から逃げていいのか?

と悩んでいるんじゃないかなと思います。


実際、学校の進路指導でも、「看護師になるなら理系選択じゃないと、大学に入ってからの勉強についていけないぞ」といった指導をよく耳にします。


ただ、もし本当に理系受験でないとダメなのなら、そもそも大学側はなぜ文系科目でも受けられるようにしているのでしょうか

今回は、その部分について考えていきたいと思います。


もちろん、文系受験でも受けられるようにした方が学生が集まりやすいとか、そういった実利的な面もあるのは間違いないですが、今回は看護師という職においてどんなスキルが必要で、文系科目がどのように役に立つのかについて考察します

看護師=コミュニケーションの仕事!?

大学側が文系受験でも看護学部を受けられるようにしている最大の理由は、実際に看護師になってから情報をインプット・アウトプットできる言語能力が必要になってくるからではないかと思います



これについて四條畷学園大学のHPに興味深い内容が乗っていたので引用します。

看護学部については「理系」であると考えている方が多くいらっしゃいます。事実、看護の対象者を理解するために必要な人体の構造や疾病のメカニズムを理解するために必要な科目は、いわゆる「理系」的な考え方を用いることがあり、多くの看護学部の入試科目をみても「理系」科目が採用されています。

しかし、その一方で、看護師は人間や生活という複雑な現象を対象にしているため、対象を理解するためには、多彩な表現力(ことばや文章)、感性も重要視されます。そのため、看護学部の入試科目をみても「文系」科目も多く採用されています


つまり、看護師は患者さんの症状だけでなく、その生活の様子も含めて観察し、小さな変化にも気づく感性やその変化を言語化する力が求められているわけです


たしかに、看護師は医師の治療を補助する役目もあり、対人コミュニケーション能力が重要になってくる職業です。

他にカルテを読んだりだとか文字情報を認識する場面も多いでしょう。


だから、看護師がいくら数学や生物ができても、情報を読み取り伝える力がなければ、実際の現場では役に立たないんだと思います。医療に従事する以上、理系的な素養も必要なのかもしれませんが、それと同じくらいコミュニケーション能力が必要とされている訳ですね。


実際、難関大学の看護学部では、数Ⅲや基礎なし理科の代わりに小論文が試験科目に入っていることが多いです。


資料を読み解いて、それを表現する力を見極める手段として小論文が適切だから試験科目にしているのだと思います。




そう考えると、理系科目で絶対に受験しなきゃという気持ちはなくてもよくて、世間的なイメージ以上に、大学側は文系科目を重視していることが分かります。

理系の素養は数ⅠAや生物基礎などの科目ができれば大学入学時点では十分なのかもしれません。


要は、看護学部=理系という認識は不十分で、看護学部は理系の素養も文系の素養も求められる学部というわけです。



もしあなたが「理系受験をしないとまずいのでは?」と思っているのだとしたら、実は大学の現場では理系の素養と同じくらいには文系の素養も求められていて、それに応えるために文系受験をする、と考えれば文系受験も理にかなっています。

なので、自信を持って文系受験に踏み切れない場合は、「実際に、看護師になってから国語力は必要だ!」という気持ちで、胸を張って受験したらいいと思います




もちろん、私自身、看護師の仕事を実際にしたことはない(母親が看護師を一時期やっていたくらい)ですし、かなり憶測で書いているので、本当のところは分かりません。


ただ、大学側も文系科目の素養を持つ人材を獲得したいと考えていることは少し垣間見えたと思います。



結局は、前回のコラムでも書いた通り、理系受験か文系受験をするのかは、

自分がどんな看護師になりたいのか
どんなキャリアを歩みたいのか
看護学部に行くことを第一に目指すのか

次第なんじゃないかなと思います。
そこを整理することが一番大事だというのは忘れずに、理系か文系かを決めましょう。


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この記事を書いた人

百瀬 浩市のアバター 百瀬 浩市 理系のための大学受験塾SoRa 代表/塾長

埼玉県立所沢高校を卒業。現役で東京農工大学工学部に入学。(その他、東京理科大学理学部、明治大学理工学部、芝浦工業大学工学部、東洋大学理工学部にも合格)
大学在学中に大手予備校にて指導経験を積む。大学卒業後、地元の個別指導塾にて教室長を務めたのち、理系のための大学受験塾SoRaを立ち上げて現在に至る。

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