【2024年版】東京電機大学の物理は難しい?傾向・対策・合格のための参考書ルートを紹介!
今回は、東京電機大学の入試物理の攻略方法について、理系専門講師がどこよりも詳しく解説をしていきます。
当塾では東京電機大学に合格した生徒さんの合格体験記もお読みいただけます。
東京電機大学 未来科学部 建築学科 合格体験記
ぜひこちらもご参照ください。
それでは始めましょう。
【この記事を読むべき人】
- 東京電機大学に絶対に合格したい人
- 東京電機大学の物理入試ではどんな問題が出るかを知りたい人
- 普段使っている参考書で戦えるか知りたい人
【自己紹介】
重原 成聖
東京科学大学大学院に在籍中。「理系のための大学受験塾SoRa」の講師を兼務しており、他塾も含めて5年間もの指導実績がある。これまでの指導で数学の偏差値を40→63.4に上げるなど、理数系科目の指導を得意としている。
東京電機大学の物理の基本情報
本記事では、多くの学生が受験する前期日程についての情報を紹介していきます。
まずは、東京電機大学の前期日程の2020年度入試以降の個別試験について以下の表にまとめました。
大問構成 | 3問 |
試験時間 | 70分 |
出題形式 | 大問1 小問集合(3分野から各2題ずつ) 大問2, 3 力学・電磁気より出題 |
解答形式 | 大問1 マーク式 大問2, 3 マーク式 or 記述式 ※大問の中でマーク式+記述式が併用される場合もある |
配点 | 数学 100点満点 理科 100点満点(物理と化学から1科目選択) 英語 100点満点 計300点満点 ※工学部第二部は外国語と理科から1科目選択の200点満点 |
数学の目標点数 | 物理が苦手な人:50% 物理が得意な人:80% |
頻出分野 | ◎2物体の衝突、投射運動、相対運動、コンデンサ、ローレンツ力 ◯熱サイクル、屈折の法則、円運動 |
○は◎ほどではないにせよ、よく問われる分野
次に、2022から2024年の英数理合計での学部ごとの「合格最低得点率」をまとめました。合格のボーダーラインが学部学科によって大きく異なります。実際に過去問を解いて比較をし、合格までの距離感を意識しながら計画的に勉強しましょう。
学部 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
---|---|---|---|
システムデザイン工学部 | 187~206点(62.3~68.7%) | 185~198点(61.7~66.0%) | 189~203点 (63.0~67.7%) |
未来科学部 | 171~201点(57.0~67.0%) | 172~201点(57.3~67.0%) | 172~206点(57.3~68.7%) |
工学部 | 160~194点(53.3~64.7%) | 164~199点(54.7~66.3%) | 169~187点(56.3~62.3%) |
理工学部 | 152~178点(50.7~59.3%) | 150~166点(50.0~55.3%) | 150~173点(50.0~57.7%) |
学科によって合格最低点が変わりますので、詳しくは公式HPにて自分の志望学科の合格最低点をご参照ください。
東京電機大学の物理の傾向・対策・目標点数
東京電気大学の物理の特色について、出題範囲と出題形式に分けて分析しましょう!
まず出題範囲についてです。結論から言うと全範囲出題されることが特徴です。特に「力学」「電磁気」は毎年大問のテーマとして出題されています。その他の「波動」や「原子」、「熱力学」は、大問1の総合問題として出題され、小問集合のような形で出題されますが、油断は禁物です。力学や電磁気を優先的に対策しながら、その他の範囲の基本的な事項を押さえることが対策に繋がります。
次に出題形式についてです。大問1は毎年、各日程すべてマーク式となっていますが、大問2と大問3は「マーク式のみ」「マーク式+記述式」「マーク式のみ」の3パターンが存在します。問題の難易度は学校配布の問題集の発展・応用問題レベルですので、このレベルの問題を「精確に説明できる」ようになるまで理解を深めることが目標となります。
それでは、東京電機大学の物理の傾向と対策について、さらに具体的に見ていきましょう。
- 力学では、衝突や相対運動など2物体の運動に関する問題が多く出題されています。これらは、大問1の総合問題でも出題されている上、大問2以降のテーマとしても扱われているため対策は必須です。
「典型的な問題」だけでなく、あまり見慣れないような問題も出題されます。攻略には問題内で設定された情報を知識と照らし合わせ、いかに立式するかが重要になります。
問題の難易度は高く、学校配布の問題集の発展・応用問題レベルを少し難しくしたレベルと考えると良いでしょう。 - 電磁気は、コンデンサーやローレンツ力に関連した問題が頻出です。力学とは異なり、こちらは典型的な問題が多く出題されます。対策としては、学校配布の問題集の基礎問題レベルを完璧にすることが優先です。記述式としても問われることはあるため、根拠を持って自分で解答を作り上げることを意識しましょう。
- 熱力学は、熱サイクル、気体の混合が多く出題されています。毎回出題されるわけではありませんが、受験する日程によっては、大問1で登場します。これらの問題では、問題文で与えられた気体の状態の情報を整理しながら解き進めることが重要です。のちに紹介する定石習得の問題集から典型的な問題を押さえるようにしましょう。
- 波動は、共鳴条件、屈折の法則が多く出題されています。こちらも同じく、日程によっては大問1に出題されています。熱力学ほどの出題頻度ではありませんが、典型的な問題の解法を覚えて定期的に知識のメンテナンスを行いましょう。
- 原子は、「稀に出題される」というレベルですが、過去5年間で複数回出題されています。出題内容としては、ボーアの水素モデルや量子条件など、他分野との関連性が強いものが出題されています。対策が甘くなりがちだからこそ、出題されているテーマについては過去問を利用して、対策を行っていきましょう。
- 全体的に時間配分は、そこまで厳しいものではありません。その代わり、内容的に深いところまで出題されている印象です。「基礎事項の定着と応用」にフォーカスを当てて勉強を進めましょう。たとえば、答えの正誤を追うだけではなく、「なぜその公式を使うのか?」という所まで解像度を高めるなどの意識を持つことが大事です。
目標点は、物理が苦手な人は50%、物理が得意な人は75%を目指しましょう。出題される問題は、直近5年間で非常に多岐にわたります。しかし、その中でも頻出な分野はある程度決まっているため、優先順位をつけながら効果的に対策を進めていきましょう!
以上の傾向を踏まえて、東京電機大学 前期日程の物理で合格を引き寄せるための参考書のルート・攻略法をお伝えします。
東京電機大学の物理攻略のための参考書ルート・攻略法
- 基礎固め&定石習得
- 宇宙一わかりやすい高校物理シリーズ
- 漆原晃の面白いほど分かる物理シリーズ
- 良問の風
- 実践演習
- 赤本(過去問)
- 学校配布の問題集
- 名門の森
【基礎固め&定石習得】
物理では、【基礎固め】と【定石習得】のフェーズがセットになります。「現象を理解し、それを自分で再現する」ということが重要視されるため、安直に公式を暗記するのではなく、本質的な理解を心がけましょう。
【基礎固め&定石習得】の参考書は、学校の授業の進度に合わせて進めていくのがいいでしょう。受験生の場合であれば、夏休みごろまでに全範囲を一通り終えたいところです。「なぜ?」を深掘り、理解が浅い箇所は自分で説明できるようになることが重要です。
特に、公式の導出や使い方、言葉の定義などをしっかりと押さえておかないと、この後いくら勉強しても成績は上がりません。また、後の【実践演習】をしつつ、【基礎固め】に戻って「曖昧な箇所を根本から理解する」という姿勢を忘れずに対策を進めてください。
宇宙一わかりやすい高校物理シリーズ
宇宙一わかりやすい高校物理シリーズは、教科書では説明されない、さらに基本的な事項を図やコメントを用いて示されています。公式の導出も丁寧に学ぶことができ、巻末の問題集まで一通り練習することで、「良問の風」や「学校配布の問題集」にチャレンジする力が鍛えられます。全範囲を網羅するためには、「力学・波動」「熱力学・電磁気・原子」の2冊分を実施する必要があります。学校の授業で「物理苦手かも」と感じた人は、こちらを用いて根本的な理解をしていくことをおすすめします。
漆原晃の面白いほど分かる物理シリーズ
漆原晃の面白いほど分かる物理シリーズは、公式の導出から使い方までを深く理解できる参考書です。各章にチェック問題があり、学校問題集の発展問題レベルのものを丁寧に解き進めることができます。全範囲を網羅するためには、「力学・熱力学」「電磁気」「波動・原子」の3冊分を実施する必要があり、上記の宇宙一シリーズと比較し、時間がかかるのも事実です。「物理で稼ぎたい!」という挑戦者にはおすすめです。
各章の問題数は2〜3問程度なため、「良問の風」と合わせて演習することで、東京電機大学の物理に必要な「基礎事項の定着と応用」を身につけることができます。
良問の風
良問の風は、上記の参考書で深めた理解を実際に問題の中で適用していくための問題集になります。そのため、必ず上記2冊のうちどちらかを完璧にしてから始めましょう。全範囲の典型的な問題が148題に集約されており、東京電機大学の物理を攻略するために必要な応用力が鍛えられます。間違えた問題は、最初に挙げた2冊のいずれかで基本事項を確認しましょう。これを繰り返すことで、初見の問題でも対応する力を養成でき、実際の入試でも落ち着いて立ち回ることができるはずです。
【実践演習】
【実践演習】では、【基礎固め&定石習得】で理解と解ける感覚を養成したのちに、東京電機大学の物理の問題を解けるレベルまで引き上げるフェーズとなります。
とはいえ、【基礎固め&定石習得】で紹介した参考書をしっかりとやれていれば、実践演習に入る前の時点で過去問で合格点近く取れるようになっているはずです。
しかし、東京電機大学の物理の問題は見慣れないような出題されるのも事実です。そのため、習得した知識を応用していく訓練が必要となります。赤本以外の問題集も使いながら、できる限り類題に触れることを繰り返していきましょう。「初見問題でも、解けないということは理解が浅い」という解釈をして、自分の解答を客観的に分析し、理解が曖昧な分野を見つけていく姿勢が大事になります。
過去問(赤本)
赤本は直前期にやるのが一般的ですが、直近1年分のみ5,6月くらいに一度解いておくのをオススメします。東京電機大学の物理の問題がどのレベルなのかを肌感覚で知っておくことで、到達目標を具体的にイメージしやすくなります。
また記述式の問題を対策するためには、地方国公立大の問題に触れることも効果的です。時間を測らずにゆっくりと大問ごとに演習し、初見の問題に対応する力を身につけていきましょう。少し難し目の問題にまでチャレンジすることで、本番で自信を持って東京電機大学の問題に対峙しましょう!
学校配布の問題集
東京電機大学の物理は、学校配布の問題集の発展・応用問題レベルが出題されます。そのため赤本と合わせて、分野ごとに学校配布の問題集を進めることで合格へグッと近づきます。時間がない場合には、上記で紹介した「良問の風」と合わせて、さらに演習したい箇所を分野ごとに進めても良いです。受験直前まで苦手分野を繰り返し復習し、大問1の総合問題を対策しましょう。
名門の森
「名門の森」は物理で点数を稼ぎたい人向けの参考書です。東京電機大学では、力学の問題の難易度が他の分野に比べ高めとなります。そのため、学校配布の問題集に加え、演習を積み重ねる必要があります。名門の森では、実際の入試で出題されたことのある問題に触れることができるため、記述力および初見問題への対応力を身につけることができます。
力学と電磁気に絞って、赤本と並行しながら類題演習を積みましょう。解答解説の1行1行を丁寧に解読しながら、曖昧な箇所は【基礎固め】の参考書に戻って理解することで、物理を得点源にできるはずです。
まとめ
ここまで、東京電機大学の物理の傾向とその対策、参考書ルートを紹介してきました。東京電機大学の物理は、学校配布の問題集の発展・応用問題レベルが多く出題されており、見慣れないような問題も出題されています。現状と対策をしっかりと見極めた上で、自分のやるべき勉強をしていきましょう。
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