北大の理系数学で合格点を取るには重要問題集で足りるのか?

こんにちは、理系のための大学受験塾SoRa代表の百瀬です。

北大理系数学の対策の仕上げに重要問題集を使うのってどうですか?」という質問をたくさん受けたので、お答えしていきたいと思います。

重要問題集がそもそもどんな問題集なのか、近年の北大の傾向も踏まえて北大対策としてはどうなのかを詳しく解説していきます。

重要問題集はどんな問題集?

毎年度改訂され出版される入試対策向け問題集の定番教材です。多くの問題は最近5カ年から取り上げられていますが、中にはもっと古いものも取り上げられています。

理系用文系用の2タイプあり、理系用だと、総問題数300題。難易度順にA, B, Cと分類されていますがC問題は計15題程度で東大志望向けと言ってよいです。

必解の印が付いている問題が170題ちょっとで、これが典型的な問題であり頻出の問題となっていますが、中には過去の九州大学や東北大学の問題なども入れられており難易度としては充分高く、この必解問題を解くだけでも一般的な入試対策としては価値があります

もちろん、基礎固めが終わっていない人はまだ手を出さない方が良いですが、受験生で本命の大学が複数あるような場合には最適な参考書と言えます

近年の北大理系数学ではどんな問題が出るのか?

まず、北大の問題は2021年以前と2022年以後で全く別の大学と言っていいほど問題の難易度が違います

北大を含む旧帝大の理系数学は京都大学以外はここ数年難しくなりその難しさを継続していますので、この傾向は続くであろうと考えられます。

難化傾向にある理由としては、2次試験の数学が共通テストと同程度の難易度だと意味がないということではないでしょうか。しかし、ただ単に「難しい」と考えるのでなく、どう難しいかを分析することが大切です。それが同時に対策にもなるのです。

例えば、北大理系数学は「n回投げたサイコロ」「確率漸化式」のようにnが混ざった確率の問題が頻出であり重点的に対策すべきです。

また、過去2年に絶対値の混じった問題が2題出題されていますが、あれを解けたとしても典型問題からの類推により解いたという受験生は少ないはずです。

つまり、もし北大の理系数学でライバル達に一歩リードしようとするには、典型問題を解けるようになるだけではなく、また別のアプローチをも探らねばならないわけです

重要問題集は北大理系数学との差がある理由

ここまで読んで頂いた方の中には、結論にピンっと来た人もいるかもしれませんが、重要問題集では、北大理系数学に対応しきれない部分があります。その理由は大きく分けて2つあります。

重要問題集は対象としている大学が幅広いため

重要問題集に限らず、受験学年用の問題集というのは、編集方針としてどうしても典型問題や頻出問題を並べざるを得ません。理系難関大志望者全員をターゲットにしているからです。

北大が大本命という訳ではなく他大学も視野に入れている場合には良いですが、「北大以外は考えていない!」という人からすると、北大の問題と比べたときに難易度や出題傾向にずれが生じてしまうでしょう

また、先程、述べたように北大理系数学は2021年以前と2022年以後で問題傾向が変わっています。

以前の北大理系数学では例えば数Ⅲの教科書や青チャートに取り上げられている「定積分で表されている関数の等式」がよく出題されていました。これがまさに教科書の例題と一対一に対応するかのような出題であり、完答は難しいものの受験生にとってもどの道具を使うのか発想がしやすい問題と言えます。

しかし、過去2カ年の理系数学の問題を眺めると教科書の例題と似た問題は少なくなり、典型問題とも分類されない大問も多くなりました。そういった意味では、重要問題集では近年の北大入試対策としては物足りなさがあります

北大理系数学では複数の単元を融合させた問題が出題される

もう一つの理由が、重要問題集に載っていないような複数の単元を融合させた問題が出題されるからです。

たとえば、2023年大問1はまさしくそういった問題でした(以下、問題文)

この問題は、ぱっと見では複素数平面の問題に分類されます。

しかし、⑴の証明問題をよく見てみると、問題文には「数学的帰納法で示せ。」という指示はないものの、数列で習う数学的帰納法を使う問題になっています

この大問だけ見ると指示がないというのは大したことでないように思うかもしれませんが、以前から難関大学ではこの種の「敢えて、数学的帰納法で示せ、という指示を書かない」という作問がありました。

試験本番で複素数平面の問題だと思って解いていると、数学的帰納法であることを見抜きにくく、近年の北大入試ではこういったところに気づけるかで勝敗を大きく分けますこのような「特に指示がない」問題では、その発想を思い付くかどうかで15点は違ってくるでしょう

その他にも、2023年大問4では問題文の冒頭を読むと確率の問題と思いきや、不等式|x+y|≦|x|+|y|が有効な問題となっており、これも分野融合問題と言えるでしょう(以下、問題文)

この大問では小問(1)すら解けていない受験生が多数だったとのことです。

北大の理系数学に太刀打ちするには、重要問題集のようにあらかじめどこの単元の問題だと書かれている問題集とは別に、融合問題を一定量解く機会が必要になります

あるいは、その視点に立った指導を受けておくのが有利でしょう。

どんな対策が北大理系数学では有効なのか

先ほど述べたように、北大理系数学では以前から数列と整数問題の融合など融合問題は出るには出ていましたが、近年その融合問題を出題するという傾向が強まっています。そのため、融合問題に対処することを意識した勉強が重要になります。

とはいえ、「具体的に何をしたら良いのか?」という疑問は湧くと思います。

まずは、融合問題対策として問題演習を行うのは有効です。例えば、過去4カ年の九州大学と東北大学の理系数学の過去問が北大の理系数学と出題意図が似ており演習価値が高いです。これらの問題を解いてみるだけでも教科書の例題と一対一に対応するかのような出題でないことに気付くと思います。

あれっ?なんか教科書の例題と差があるなと感じてもらえるだけでも収穫です。多くの受験生はこの気づきをきっかけにして、一歩リードするための対策に入るのです。遅くとも、11月の模試のラッシュが終わった時期くらいから融合問題の対策に入りたいものです。

そして、本格的に融合問題の学習を進めていく上で、ただ解いていくだけではなく、どういった問題のときにどういった解法が使えるかを整理することが非常に重要になります

勉強法としては、「〇〇の使いどころ」というまとめノートや「証明に詰まった時に探ってみるべき手法のまとめノート」を作成し、整理するのが有効です

例えば、不等式|x+y|≦|x|+|y|は、三角不等式と名前を付けて意識に上るように学習し、入試問題攻略のための使い方をチャートや入試問題を通じてまとめてみましょう。

まとめてみると、微分法の応用の単元も絡んできたり、ベクトルなどの図形問題で出てきたりするなど、いろんな場面で登場することが分かるはずです。

そういった視点で学ぶことこそが、入試問題を攻略するための一歩となります。

最後に

医学部医学科のように高得点勝負が予想される受験生以外は、上述の対策の一部でも実行できれば実際のところは合格点に達してしまうと思います。

過去2カ年でも融合問題でない大問も2問くらいは出ておりますので、そこで見直しをするくらい堅実な答案作成をすれば、合格者平均点にかなり近づきます。しかし、もしそれらの問題を落としてしまった場合に他教科で勝つための対策をせねばなりません。

そういった意味では、やはり、北大理系数学に向けて融合問題の対策が必須であり、重要問題集だと少し物足りないです。融合問題の演習と解いていくための視点を得るような勉強をしていきましょう。

理系のための大学受験塾SoRaでは、北大理系志望の受験生のために数学【カラ破り】コースを開講しています!
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旧帝大などの難関国公立、早慶などの難関私立、医学部などを志望している方や、共通テストや二次試験において数学で高得点を狙っている方で、数学がこんな状態になっていないでしょうか。

・基礎レベルの問題は解けるのに入試レベルになると手も足もでない。

・塾や参考書などで数学をたくさん勉強してきたにも関わらず数学が伸びない。

・勉強量に反比例して数学の成績が落ちてきている。

・過去問を解いても合格点に届く気がしない。

毎年、当塾ではこういったご相談を多く受けます。
しかし、ある程度基礎力がついているにも関わらず数学で点数が取れない理由は、次のことが原因となっています。

 

なぜ数学の力が伸びないのか

ある程度のところまでは演習量で何となるものの、一歩上のレベルに行きたいと思っているのに、その”カラ”を破れないのには原因があります。

それは、参考書や塾で学んだことの表面しか見れていないからです。その裏側にある、他の問題や内容とのつながり、どういったことを意図して解いているのかといった立体的な視点を持つ必要があります。

↑の図のように、問題の裏側にあるものをどれだけ読み取って理解することが、数学で安定して点数を取ることに直結するのです。

ちまたでは、「参考書ルート」と呼ばれるものがあります。これは、この大学に行くにはこの参考書を解いておけば良いと言われるものです。
しかし、そのルート通りにやって合格する力が保証されるのなら、入試の合格最低点は高くなりもっと過激な競争になっているはずですが、そうはなっていません。

そのルートをたどって勉強しても合格できる人とできない人で別れてしまうのです。ルートをたどっても必ずしも合格できるだけの数学力がつくわけではない理由も、その参考書の裏側にあることをどれだけくみ取れているかが人によって違うためです。

解答の行間や解法の発想などの書いていないことをどれだけ拾えるかが重要になります。

では、こういったことを独学でやっていけるのかというと、これまで裏側を読み取れていなかった人が急に読み取るのは難しいです。

これまでどんな姿勢で問題を解いてきたか、どんなことを意識して勉強してきたかで左右されてしまう側面があるため、急にそれを一人でやろうとしても難儀してしまうのです。

そこで、SoRaでは、問題演習はしているのに成績が伸びてこないと悩んでいて、目に見えていない部分で躓いている方を指導するためのコースを新設しました。

数学【カラ破り】コースって何?

社会人講師によるマンツーマンの90分授業

これまで数多くの入試問題を解き、数多くの生徒さんを指導してきた経験豊富な社会人講師が担当します。
授業は、基本的に「内容解説→演習→解説」という流れで行っていきます。
※そのときの状況次第では進め方を臨機応変に変えていきます。

過去問の添削指導

過去問などの記述問題に対する添削指導も行います。
現在も大学で教鞭をとる講師も在籍しているため、より採点現場に近い視点での添削を行います。

また、個々人の特性や志望校に合わせても添削を行うため、意識して直してほしい部分を段階を踏んで修正していきます。

あなただけの特別課題

毎週の課題として、あなただけの特別課題を作成します。

現状の数学力を踏まえた上で、基礎~応用に関係なく、今あなたが解くべき問題を担当講師がセレクトして出題します。

また、直前期では志望校の傾向も踏まえた上で、あなたの数学力を上げるために必要な問題を提供します。

24時間質問対応可能!

幣塾では、Slackというチャットアプリを用いて、24時間質問が可能となっております。授業外でも分からないことがあれば、いつでもどこでも気軽に質問を行うことができます(基本的に返信は24時間以内に行います)

オンライン自習室を利用可能

㈪~㈯の10:00~22:00の間でオンライン自習室を使うことができます。講師が在室している際には、直接質問することもできます。

【指導対象】

東京大、京都大、大阪大、名古屋大、東北大、九州大、北海道大、東京工業大、一橋大、神戸大、千葉大、各大学医学部、早稲田大学、慶応大学

といった難関大を志望されている方。

その他、共通テストや二次試験で数学で高得点を取りたい方。

文系・理系は問いません!

 

【定員】

指導可能な講師の人数に限りがございます。定員は現在3名とさせて頂きます。

 

 

数学【カラ破り】コースを担当する講師の指導を受けていた生徒さんの合格体験記はこちら↓

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